話し合いで大切な3つのポイント

(1)墓じまいの理由を明確に説明する
お墓の承継者がいないことや、遠方にあるため管理が困難なことなどを、しっかりと説明し、理解を求めましょう。

(2)対象となる遺骨の範囲をはっきりさせる
すべての遺骨を移動させるのか、特定の遺骨だけなのか、はっきりさせましょう。それ次第で親族の受け止め方も変わります。

(3)今後の供養方法を具体的に提案する
今後の供養方法について、永代供養墓や散骨など、具体的な提案をしましょう。そのことで、親族の不安もやわらぎます。

家族や親族と十分に話し合おう

「改葬」するにしろ、完全に「墓じまい」するにしろ、大切なのは家族や親族と十分に話し合うことです。意見の一致がないまま話を進めてしまうと、のちのちもめ事が生じかねません。

話し合いで大切なボイントは、まず墓じまいをする理由を明確に説明することです。

いまお墓はどういう状況になっていて、お墓参りやお布施などの管理維持はどうなっているかを、きちんと説明し、理解を求めます。

それと同時に、今後の供養方法についても具体的な提案をします。お墓に複数の遺骨が入っている場合は、すべてほかに移すのか、それとも一部の遺骨だけを移すのかなども決めなければなりません。

完全な意見の一致は難しいかもしれませんが、対話を重ねれば、よりよい解決策が見いだせるでしょう。

『家じまい・墓じまい・相続[図解]実家問題がすべて解決する本』(扶桑社)

監修:曽根恵子
株式会社夢相続代表取締役。相続実務士(R)。公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士。監修書に『図解 身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本 2025年版』、『子のいない人の終活準備』、『一番かんたん エンディングノート』(扶桑社)などがある。

曽根恵子
曽根恵子

株式会社夢相続代表取締役。相続実務士(R)。公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士。出版社勤務後の1987年に、不動産コンサルティング会社を設立し、相続コーディネート業務を開始。相続実務士の創始者として、1万5000件以上の相続相談に対処。夢相続を運営し、感情面、経済面に配慮した“オーダーメード相続”を提案している。TV・ラジオ出演407回以上、新聞・雑誌取材協力980回以上、セミナー講師実績671回以上と幅広く活躍。著書・監修書86冊、累計81万部発行。監修書に『図解 身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本 2025年版』、『子のいない人の終活準備』、『一番かんたん エンディングノート』(扶桑社)などがある。