1つは、遺骨を別の墓地に移して、そこに新しい墓を建てて埋葬するというものです。

これは「改葬」とよばれるもので、いわば、お墓の引っ越しになります。この場合、新たに別の墓を建てることになるので、今後も管理は必要になります。

しかし、遠い故郷の実家にある墓を、いま自分が暮らしている近場の都市部などの墓地に移せば、管理の手間は格段に軽くなります。

もう1つの選択肢は、もう個人の墓は持たないようにするというものです。厳密には、こちらが文字どおりの「墓じまい」ということになります。

個人の墓を持たない場合、遺骨の移し先としては、永代供養墓や納骨堂、樹木葬などの合葬式のお墓にすることが考えられます。

この場合、墓地の管理者が管理するため、親族の負担は金銭以外、ほぼありません。また、別の方法としては、散骨や家に遺骨を引き取って供養する手元供養もあります。

墓じまいと改葬メリット・デメリット

【メリット】
・お墓の維持管理費を減らすことができる。
・墓じまい・改葬することによって供養がしやすくなる。
・お墓の場所を選ぶことができる。
・お墓の管理など精神的負担から解放される。
・無縁墓になる心配がなくなる。

【デメリット】
・墓石の解体・撤去費用がかかる。
・親族とのトラブルが発生する恐れがある。
・檀家を離れる際の離檀料で寺院ともめる可能性がある。
・合葬タイプのお墓を選択すると、故人の遺骨を取り出せなくなる。