親と離れて暮らしている人は多いかもしれない。もし親が亡くなった場合、実家をどうするか決めているだろうか。

増加する相続登記がされていない所有者不明の土地が適切な管理がされていないこともあり、政府は法律の改正・創設を行い、これまで義務ではなかった相続した不動産の名義を変更する「相続登記」を義務化した。

このように相続に関することは、年々情報がアップデートされるが、なかなか追いつかない。相続に詳しい曽根恵子さんが監修した、『家じまい・墓じまい・相続[図解]実家問題がすべて解決する本』(扶桑社)から、直近で大きく変わった法律について、一部抜粋・再編集して紹介する。

所有者不明土地の問題把握を

不動産の名義人の所在がわからない土地を「所有者不明土地」といい、空き家リスクの温床となっています。どのような問題があるのか押さえておきましょう。

土地や家を相続したら、通常は相続登記をして所有者が変わったことを知らせます。しかし、以前は相続登記が任意だったため、利用価値が低かったり遠方にあったりした場合、相続登記がなされず、所有者不明の土地(所有者不明土地)が増えてしまいました。

所有者不明の土地は適切に管理されていないことが多い(画像:イメージ)
所有者不明の土地は適切に管理されていないことが多い(画像:イメージ)
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こうした土地は適切な管理がなされず、空き家や廃墟となりがちで、景観や治安の悪化につながります。また、勝手に処分することは難しく、土地の利活用を阻害します。

そこで政府は、所有者不明土地の発生の予防と、土地の利用の円滑化を図るべく、法律の改正・創設を行いました。なかには罰則が含まれるものもあるので、気をつけたいところです。

3年以内に相続登記をしないと…

相続の際、土地や建物を相続することもあるでしょう。

不動産登記をする必要がありますが、これまでは名義を変更する義務はありませんでした。故人から相続した不動産の名義を変更することを「相続登記」といいますが、相続後も相続登記をしないまま、相続した家に住み続けても問題はありませんでした。