繁殖地が減少している絶滅危惧種の渡り鳥「コアジサシ」。カラスやネコなどの天敵から“ひなを守るシェルター”を備えたある場所に毎年、コアジサシが飛来する。今年は100羽が飛来、16羽のひなが確認された。
繁殖地減少…浄水場跡地で巣作り
コアジサシは4月ごろに日本に渡ってくるカモメ科の渡り鳥。佐賀市諸富町の浄水場跡地では4年前からコアジサシが巣を作り、ひなの姿が確認されている。

コアジサシは本来、海岸や河川敷で繁殖する。しかし、繁殖に適した場所の減少で、砂利があり草が生えていない所を繁殖地として代わりに利用するしかないのが現状だという。

「1羽でも…絶滅から救いたい」と日本野鳥の会佐賀県支部は2021年、佐賀市上下水道局から土地を無償で借り受け、小動物除けのネットや、ひなのシェルターとなる土管などを設置した。

そして今年(2025年)には、去年(2024年)よりも20羽ほど多い約100羽が飛来し、47の巣と16羽のヒナが確認されている。
天敵に襲われる“ひな”も
この日、地元の小学生たちが、コアジサシの子育てが行われている巣とヒナを望遠鏡で観察し、絶滅の危機にある生き物について学んだ。

小動物除けのネットや、ひなのシェルターとなる土管などが設置されているものの、カラスやネコなどの天敵に食べられてしまうひなもいる。

繫殖地の減少と天敵…厳しい環境の中、今年も1羽でも多く繁殖し、無事飛び立っていくのを地元の人たちは見守っている。
(サガテレビ)