環境省から絶滅危惧種に指定されている渡り鳥・コアジサシ。
6月に入り、佐賀市の建設会社が工事を延期し、巣を作って子育てに励む姿を見守っていた。

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しかし、その後の取材で天敵に捕食された可能性があることがわかった。

姿を消したコアジサシの親子

6月4日。絶滅が危惧されているカモメ科の渡り鳥・コアジサシが、佐賀市の建物跡地で子育てに励んでいた。
しかし、巣を作っていたコアジサシの姿はなく、鳴き声も聞こえない。

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日本野鳥の会佐賀県支部・宮原明幸支部長:
見たわけではないが、野猫やカラスなどの天敵に捕食されたんじゃないかと考えている

日本野鳥の会の宮原さんによると、発見当初(6月1日)確認されていた6羽のひなは、わずか5日で3羽になり、6月15日にはほとんどが捕食されていたそう。
そのため、「危険だと判断した親鳥は育児を辞めてほかの場所へ飛び立った可能性が高い」としている。

繁殖環境がほとんど残ってない

ーー来年はどうする?

日本野鳥の会佐賀県支部・宮原明幸支部長:
ここをお借りして、小動物除けのフェンスを張りたい。そして、コアジサシの営巣している模型を置いて誘致したい

コアジサシは本来、海岸の砂浜や河川敷などに卵を産むが、レジャーで使われたり、コンクリートで埋め立てられたりと繁殖できる環境がほとんど残っていないという。
宮原さんはこうした状況が、「コアジサシの個体数の減少につながっている」と危機感を示す。

日本野鳥の会佐賀県支部・宮原明幸支部長:
仕方なくこういう場所を(繁殖地に)使わざるを得ないんだろう。自然を少しでも残していくのが私達の務め。
みんながそういう気持ちになれば、絶滅に瀕した小動物を救うことができるかなと考えます

(サガテレビ)

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