小泉農水相が備蓄米を随意契約で小売業者に売り渡す方針を示したことで今後のコメの価格の行方が注目される中、米どころ佐賀県の山口知事は「農家の努力が報われるマーケット」であるべきとの考えを示した。

「小泉農水相の方針は評価したい」

コメ価格の高騰対策として、小泉農水相は備蓄米を随意契約で小売業者に売り渡す方針を示した。店頭価格は5キロ2000円程度に抑えられる見通しだという。

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小泉農水相が示した対策について、佐賀県の山口知事は5月27日の会見で「この方針を評価したい」と述べた。

「農家の努力報われるマーケットに」

そのうえで山口知事は、「さがびより」など県内のブランド米の名前をあげ、価値のあるコメには相応の値段がつく必要があるとも述べ、「農家の努力が報われるようになってほしい」との考えを示した。

山口知事:
いろいろなニーズがあるので、それでも(コメは)日本の主食であり、とても大事だから、様々な価格帯が出てきて、やはり農業者の努力というものがしっかり報われるマーケットになってほしい

一方、備蓄米の随意契約の売り渡しには19の大手小売業者が申し込みをしているという(5月27日午前9時時点)。このうち県内でも展開している企業では、イオンが約2万トンを6月初旬から順次、全国の店舗で販売する予定だ。このほか、ドン・キホーテを運営する会社やダイレックスの親会社・サンドラッグ、ミスターマックスなども申し込んでいるという。

JAは農家に最低保証額を提示

コメの高騰が続く中、JA佐賀は集荷する米の最低保証額の増額を発表した。価格や販売量の安定化が狙いで、去年(2024年)より約4000円の増額となる。

しかし「他の業者はもっと高い。驚くほどの金額ではない」と不満を口にする農家もいる。
健全なコメのマーケット、適正な価格の着地点の行方は依然として不透明だ。

(サガテレビ)

サガテレビ
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