長野県中野市で4人が殺害された事件から5月25日で2年。殺人の疑いなどで逮捕・起訴された青木政憲被告(33)は、今も一部の人を除き、接見が禁止されている。最近の被告の様子について担当弁護士は、「事件や裁判に関して興味がない様子」だとしている。裁判では刑事責任能力の有無が争点になりそうだ。
刃物や猟銃で襲われ4人が犠牲に
2023年5月25日午後4時半ごろに発生した事件。日課のウォーキングをしていた70歳(当時)の女性と66歳(当時)の女性が男に刃物で襲われ死亡した。
さらに、通報を受けて駆け付けた池内卓夫さん(当時61)と玉井良樹さん(当時46)も同じ男に猟銃やナイフで襲われ、死亡した。

4人の殺人の疑いなどで逮捕されたのは青木政憲被告(33)。責任能力を調べる鑑定留置を経て、殺人の罪などで起訴されている。
裁判の練習「自分はいいです」
5月、接見した担当弁護士が最近の様子を明らかにした。
9月に裁判が開かれることが固まり、裁判の練習をしようと伝えると、青木被告は「自分はいいです」と答え、事件や裁判に関して興味がない様子で、資料に目を通すこともないという。

担当弁護士は定期的に本を差し入れていたが、バイクや車、自然などの写真がある雑誌を希望するという。
被告の印象については「2年前と何も変わっていない。ただ年をとっただけ」としている。
初公判は9月上旬の見通し
今後の裁判の予定について。現在、裁判の争点などを事前に絞り込む公判前整理手続きが行われていて、初公判は9月上旬に開かれる見通しだ。

大きな争点となるのは青木被告の刑事責任能力だ。検察側は、責任能力の有無を調べる鑑定留置を実施した上で、被告を殺人の罪などで起訴した。弁護側も、起訴後に精神鑑定を実施している。弁護側は、4人を殺害した実行行為については争わない方針だが、責任能力の有無や程度については、裁判で争っていくものとみられる。
本人の口から事件の真相が語られるかも注目される。
(長野放送)