また、「不安体質」でもあるため、ほかの人より不安を感じやすく、特定の物や情報などに過敏に反応しがちです。でもそれは、あなたの性格のせいではありません。体質は性格や行動で左右されるものではなく、自分の意思で変えることはできないものです。
たとえば「アレルギー体質」「太りやすい体質」などは日常的によく聞きますが、これらの体質は性格によって決まるものではありません。
「不安体質」も同じこと。生まれながらに持っているものなので、「努力して不安体質を変えよう」と頑張っても、容易に変えることはできないものです。むしろ、頑張ることで神経がより敏感になり、交感神経が高ぶって不安を感じやすくなってしまうことがあります。
「私は不安体質なんだ」と自覚し、そんな自分を受け止めてあげてください。
感覚過敏な神経を刺激しない生活に
体質を変えることはできませんが、体質によってあらわれる症状を緩和することはできます。アレルギー体質の人が外出するとき、マスクや眼鏡をして花粉が体内に侵入するのをガードすると、花粉症の症状が出にくくなりますね。不安体質の人の場合も同様です。
できるだけ神経を刺激しない生活を心がけることで、交感神経が過剰に反応するのを抑えて、不安を感じる機会を減らすことができます。
まず、刺激の強い嗜好品、アルコールやたばこ、香辛料、カフェイン入りの飲み物などは控えましょう。刺激的な映像や読み物なども避けてください。刺激の強いものは交感神経を刺激して心身ともに緊張状態にさせるため、パニック発作を誘発することもあります。
神経を刺激しない生活に変えても、不規則な生活を送っていたら不十分です。不規則な生活は体内時計を狂わせ、自律神経のバランスを乱すからです。
規則正しい生活は、心とからだの健康に不可欠です。とくに、朝日をたっぷり浴びることを意識しましょう。体内時計がリセットされ、一日24時間のリズムを正しく刻むようになり、自律神経を整えるので、パニック障害の改善にとてもいい影響を及ぼします。

影森佳代子
鎌倉ひまわり鍼灸院 院長。心理カウンセラーを経て、鍼灸師として独立。延べ施術数は2万件以上。30代でパニック障害を発症する。著書に『パニック障害 大丈夫! からなずよくなる』(河出書房新社)がある。