恐怖と戦うほど怖いものが増える

怖いものを遠ざけるのは人間の防御反応。逆らうことはできません。混雑した電車、渋滞中の車の中、美容院、映画館、行列、閉ざされた場所……。「怖い」と感じる場所は人それぞれですが、その恐怖心は理屈や理性で解決できるものではありません。

恐怖と闘うことはものすごくエネルギーを消費する行為なので、恐怖に打ち勝とうとしてもがけばもがくほど、へとへとになってしまいます。戦闘モードのボルテージが上がるほど不安と緊張が高まり、心とからだがガチガチにこわばってしまうのです。

その結果、さらに不安や恐怖を生み出し、「怖いもの」が増えるという悪循環に陥ります。

「怖いって素直に思っていいんだよ」
「不安でいっぱいなのをごまかさなくていいんだよ」

自分自身に、そう語りかけてください。そして大きく深呼吸して、心とからだをゆっくり休ませてください。それだけで少しラクになりませんか?

「コップの水」を減らしていこう

よく「ストレスがたまった」と言いますよね。ストレスはどこにたまっていくのでしょうか?

心の中の「コップ」にたまると考えてみてください。

コップにはどれだけ水(ストレス)がたまってる?(画像:イメージ)
コップにはどれだけ水(ストレス)がたまってる?(画像:イメージ)

「上司と相性が悪くて疲れる」「お姑(しゅうとめ)さんが厳しくて気が抜けない」など、嫌だ、つらいという負の感情を抱くたびに、コップに水(ストレス)がたまっていき、それに伴い交感神経が優位な状態になっていきます。

そしてコップから水があふれてしまったとき、自律神経のバランスがくずれ、パニック発作や心身の不調があらわれると考えてください。