では、コップにはどれくらいの水をためられるのでしょうか。それは人によって異なります。

大きなコップなら、かなりのストレスにさらされても受け止められますが、コップが小さいと、本人は「たいしてストレスを感じていない」と思っていても、あっという間にコップから水があふれてしまうことがあります。

コップの大きさは、専門的には「ストレス耐性」といいます。コップのサイズは持って生まれたものなので、自分では調節できません。だからこそ、コップから水があふれないよう、つね日頃からケアすることが大切なのです。

からだのこわばりはSOS

私の鍼灸院にパニック障害の相談でやってくる人のなかには、「とくにストレスは感じていませんが…」と言う方もいます。

そんな方のからだを触るととてもこわばっていて、呼吸が浅くなっていることが多いのです。本人は自覚していないけれど、からだはすでにSOSを出しているのです。

からだがこわばっている人はすでに水がいっぱいかも…(画像:イメージ)
からだがこわばっている人はすでに水がいっぱいかも…(画像:イメージ)

逆にいうと、からだのどこかにこわばりを感じるようになったら、コップに水がかなりたまっている証拠です。

まずはストレスがたまっていることを自覚することが大切です。コップの水を減らしていくために、心とからだをゆるめて、交感神経の高ぶりを鎮めていきましょう。

「コップの水を減らすなんて、どうすればいいかわからない」と、思うかもしれませんね。でも心配しなくて大丈夫。

「おもち呼吸法」で呼吸を整え、簡単なストレッチでからだをほぐすだけでいいのです。これらを継続して行なえば自律神経のバランスが整うので、心もからだも楽になるのを感じられるでしょう。

不安体質だという自覚も大事

パニック障害を発症する人は、ストレスに対する感受性が強く、不安をため込みやすい傾向にあるようです。つまり、持っている「コップ」が小さめで、水(ストレス)がたまりやすいということです。