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いきものディープランド

【開園55周年】動物への愛をつなぐフェニックス自然動物園の舞台裏 飼育員たちの日常と守りたい未来

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1971年の開園以来、半世紀以上にわたり親しまれてきた宮崎市フェニックス自然動物園。約80種、900もの動物たちが暮らすこの園を支えるのは、26人の飼育員たちだ。新人からベテランまで、動物たちに注がれる愛情は計り知れない。開園55周年という節目を控え、命と向き合う現場の日常と、未来へ向けた新たな取り組みを追った。

毎日動物に会えてうれしい 新人の長友さん

宮崎県宮崎市にあるフェニックス自然動物園。

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園は大きく4つのエリア(北区・南区、こども動物村、フラミンゴエリア)に分かれている。

この春に入社したばかりの新人飼育員・長友良太郎さん(18)は、小学1年生の頃に出会った夢の仕事に励んでいる。

長友良太郎さん:
生まれて初めて動物園に来たときにピンときた。やりたかった仕事なので、毎日とても楽しくやっている。毎日動物に会えるので、すごくうれしい。

長友さんはマーラやカンガルーなどの飼育を担当。毎朝の体調確認や掃除、そして慣れない包丁を手にエサの準備に奔走している。

長友良太郎さん:
カンガルーは口の中が弱い生き物なので、顔の周りを確認したりする。マーラは飛び跳ねる動物なので、歩き方に問題ないかをいつも確認している。料理はしたことがなかったので、包丁を使うのに最初はすごく苦戦した。今も先輩たちに比べるとまだまだ遅い…。

そんな長友さんは、2頭のカンガルーをみながら「オスのキチノスケはビビりでいつも逃げていくけどエサを持ってきたときは近づいてくるので、すごく可愛い。メスのマーブルはすごく人懐っこくて可愛い」と嬉しそうに話す。

日々動物たちと向き合う一方で、飼育員の仕事には力仕事も多くある。牧場で、動物たちが食べる牧草を1日200~300㎏調達する。

マンドリル愛が止まらない 髙橋さん

一方、入社16年目の髙橋健太さんは、マンドリルやクモザル、ワオキツネザルなどを担当。

2023年に動物園にやってきたマンドリル・マンマルは派手な顔立ちをしているが、それには理由があるという。

髙橋健太さん:
マンドリルは日中でも真っ暗なアフリカの熱帯雨林で、何百頭という群れで暮らしている。一つ考えられているのは、その群れのリーダーが派手な色をしていることで、群れを見失わないと言われている。

そんな群れのリーダー・マンマルが現在行っているのが、健康を管理するための採血訓練。飼育員がエサを与える間に、自ら筒に手を入れ、採血中も体勢を保つ練習をしている。かつては動物の体を押さえて行っていた採血を、動物の負担を減らすために「自発的なトレーニング」へと切り替える。

また、DIYが得意な髙橋さんは、動物たちが飽きずにエサを探せる「フィーダー」を自作するなど、動物の生活の質(QOL)を高めるための工夫を欠かさない。同僚たちは「熱中しすぎていろんなことを忘れないか心配」「マンドリルの隣にいるクモザルにも作ってあげてほしい」と話す。

髙橋健太さん:
自分の思ったように動物たちが使ってくれたらすごく嬉しい。手探りでわからないことだらけでやっているので、毎日新たな発見があって、それが好きというか楽しい。

受け継がれる初代園長の情熱

フェニックス自然動物園は、1971年3月24日に日本初の生態動物園として誕生した。

生態動物園とは、動物の生息地を再現した展示を行う動物園のことだ。初代の園長が「宮崎でミニ・アフリカを作りたい」と、アフリカまで動物を買い付けに行ったという。

初代園長の情熱は、今もキリンやシマウマ、ダチョウの混合展示という形で受け継がれている。

一番長く暮らすチンパンジー

園内で最も長く暮らしているのはチンパンジーのデビィ(メス・推定54歳)だ。

開園の2年後、1973年に推定1歳で園にやってきた。

今ではすっかりおばあちゃんチンパンジーになったデビィ。群れに赤ちゃんが生まれると、乳母代わりのようにとてもよく面倒を見て、その優しい姿が来園者の心を和ませている。

開園から55年。

長い時間の中で、動物たちを取り巻く環境も大きく変化してきた。今、園ではその環境について考える取り組みに力を入れている。

野生動物が置かれている厳しい現状を伝えるため、園内各所に「絶滅の危険レベル」や「レッドリスト」などの看板を設置。

竹田正人園長は「動物たちの困りごとを知ることで、自分たちにできることを考えてほしい。野生動物の住む環境が守られると、それはやがて僕たちに返ってくるということをがんばって訴えたいなと思っている」と話す。

動物園は単に動物を眺める場所ではなく、野生動物の住む環境を守る大切さを学ぶ場としての役割も担っている。

未来へつなぐマサイキリン

この道25年のベテラン飼育員の加治洋一さんは、キリンやシマウマがいるアフリカ園を担当している。ガタイが良いから…という理由で担当に決まったという。

そんな加治さんは、これまで7頭のキリンの誕生をそばで見守ってきた。

加治洋一さん:
一番は、間近で成長を見られるということ。小さなときから大きくなったときまで、すぐそばで見られるのが一番のやりがいだと思う。

現在、園には4頭のマサイキリンがいる。加治さんは「普段からお世話をしていると、後を付いてくる子や距離を置いている子がいて、性格がわかってくる」と話す。

絶滅危惧種のマサイキリン。種を途絶えさせないための取り組みも行われている。

鹿児島市の動物園へ嫁入りが決まっているマサイキリン・ヒマリの輸送トレーニングが始まっている。輸送箱に慣れるための訓練を優しく見守る加治さんは、「鹿児島のキリンさんと仲良くなってほしい。動物は人と同じように性格があるから、うまくいくかいかないか会ってみないとわからない。まぁでもヒマリは可愛いから大丈夫!」と、エールを送る。

開園55周年という節目を迎え、園内ではフラミンゴショーの新しいユニフォームデザインを募集するなど、未来に向けた企画も動き出している。「太陽と緑」のキャッチフレーズのもと、飼育員たちの深い愛情に支えられたフェニックス自然動物園。動物たちとの触れ合いを通じて、訪れる人々に笑顔と学びを届け続けている。

動物園で待っちょるよ~

(テレビ宮崎)

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