10月7日から3日間の日程で開催される諏訪神社の秋の大祭「長崎くんち」。2025年に出演する6つの踊町が10日に発表された。出演を辞退した町もあり、「祭りの継承」が難しくなっている現状もある。

6つの踊町が出演
会見には2025年の踊町の代表者などが出席した。2025年の「長崎くんち」は、西古川町、新大工町、諏訪町、榎津町、賑町、新橋町の6町が奉納踊を披露する。

西古川町は「櫓太鼓」と「本踊」で、相撲甚句や弓取りなど相撲にゆかりのある演目を披露。

「詩舞」と「曳壇尻」を奉納する新大工町。10人の女性による艶やかな舞と3tもの壇尻の曳き回しが見どころだ。

諏訪町は「龍踊」を奉納する。青龍と白龍が踊り馬場を駆け抜ける。子どもたちによる子龍との共演にも注目だ。

榎津町は江戸時代から奉納する「川船」で魅せる。急流に翻弄されながらも船が進む様子を描く船回しが特徴だ。
メンテナンスや改良を加え、70年以上大切にしてきた船とともに伝統の演技を披露する。

賑町は、大漁に沸く様子を描く「大漁万祝恵美須船」。
船の重さは最重量級の4.5t。2025年は船の車軸を改良し重さが増したということで、これまで以上に豪快な船回しが見られそうだ。

新橋町は「本踊」と「阿蘭陀万歳」。異国情緒豊かな衣装とコミカルな仕草で会場を沸かせる。
2025年は諏訪神社創建400年の節目の年で、関係者の気合いも十分だ。賑町自治会 渡辺秀孝 会長(令和7年踊町組合常磐会幹事町)は「踊町組合の常盤会は、満場喝采のうちにつつがなく奉納するように頑張っていく」と話す。
「あすは我が身」400年の伝統継承の難しさ
今回踊町となっていた「金屋町」は奉納踊を辞退した。人手不足や高齢化などが理由だ。伝統を継承する難しさが浮き彫りとなっている。

長崎伝統芸能振興会踊町委員会 山下寛一 委員長は「正直言うと、“あすはわが身かな”。コロナ禍以降、色んなものが値上がりしている。衣装代、手ぬぐいなど1.5倍から2倍になっている。これから先、収入の部は増えない。出るのが多い、継続するのは難しい。そういう時代になったなと実感している」と胸の内を語った。
長崎くんちは10月7日から9日の3日間、諏訪神社で行われ、6月1日から本格的な稽古が始まる。
(テレビ長崎)