寝る前のスマホ利用については、ブルーライトによる覚醒作用やメラトニンの分泌抑制作用などが指摘されてきたが、最近のスマホのブルーライトにはさほど問題はないという。
ただ、使い方には注意が必要で、動物や景色などの動画は問題ないが、SNSやゲーム、メールなどといった双方向のアクティビティは控えたい。

「入浴効果」も入眠作用がある。
深部体温が1~2度上がった状態から平熱に落ちるタイミングで入眠は促されるため、お風呂に入って深部体温を上げておくと眠りがスムーズになるという。
お風呂に入らなくても深部体温が上がれば良いので、寝る前のストレッチもおすすめだ。
横になりながらストレッチをすれば、血液の循環が良くなり、副交感神経を優位にすることで体をリラックスして入眠モードに入ることができる。
「寝酒」はダメ、昼寝は20分程度に
一方、「寝酒」は絶対にやってはいけないという。
「お酒には『入眠効果』と『中途覚醒効果』があるので、一時的に寝つきは増進されますが、途中で起きてしまいます。
眠りは浅く、体も脳も休まらない場合が多く、睡眠の質は全く良くありません」

そして日中眠くなった時は昼寝も効果的だ。
ただ、深い眠りに至ってしまうと覚醒するのに時間がかかってしまうため、20分ぐらいのところで切り上げるとすっきり起きることができると藤村さんは話す。
「30~40分経つと一気に深い眠りになるので、そこまで行くと覚醒するのにだいぶ時間がかかってしまいます。
最近は、コーヒーなどカフェインを昼寝前に摂ると効き始めるのが30分後ぐらいなので、組み合わせると目覚めが良いと言われています」
健康維持に欠かせない睡眠。
最新の研究でわかってきた睡眠サイクルと中央時刻を意識して、質の良い眠りを心掛けることが大事なようだ。
【図表・イラスト:さいとうひさし】