宮崎県の西都原古墳群では、ソメイヨシノと菜の花が同時に見頃を迎え、多くの家族連れで賑わっている。2025年の桜は一気に咲き揃っているのが特徴で、「休眠打破」が働いた結果であると気象予報士は説明する。また、西都原の桜は樹齢40年から70年の古木が多く、維持管理が課題となっている中、「桜AIカメラ」による桜の健康診断サービスに期待が寄せられている。
気象予報士、初めて西都原の桜と菜の花をみる

4月3日の西都原古墳群は、ソメイヨシノと菜の花が同時に見頃を迎え、家族連れなどでにぎわっていた。地元の人が「ここ数年では一番きれい」と話す中、茨城県出身でこの春宮崎に来たばかりの気象予報士・古山圭子さんが現地へ。古山さん、西都原の春の風景を初めて見た感想は?

古山圭子気象予報士:
菜の花と桜のコラボレーションでここまでスケールが大きいものは初めて見た。菜の花の黄色、桜のピンク、青空と春の三段染め!茨城のばあちゃんにも見せてあげてぇな…。
今年の桜にはある特徴が…

約700メートルに渡る桜並木。古山さんによると、今年の桜にはある特徴が…。

古山圭子気象予報士:
今年の桜は一気に咲きそろっているのが特徴。これは、『休眠打破』がキーワード。冬の寒さが無いと、花のつぼみがなかなか目覚めないが、今年はしっかり寒くなったことで、一気に目が覚めて一気に咲いたということだ。逆に言えば、この先一気に散ってしまうかもしれない。
お花見クイズ!桜が散る前に出すサインとは?

古山圭子気象予報士:
ここでお花見クイズ!桜が散るときにはあるサインを出します。どこを見ればいいでしょうか?
正解は…

古山圭子気象予報士:
正解は、花びらの中央。花びらの中央が緑色だと、咲き始め。

古山圭子気象予報士:
花の中央が赤くなってしまうと、そろそろ散り始めというサイン。赤い花を見かけたらお花見のラストチャンス。お花見へレッツゴー!

西都市によると、桜と菜の花の見頃のピークはこの週末ということだ。

西都市商工観光課 横山瑛一さん:
今年は天候不順もあって、実際は桜も菜の花も例年より見頃が遅れているが、けがの功名でたまたまピークが重なって、今週末はここ数年では一番きれいな風景が見られる。ぜひお越しください。
西都原古墳群では、4月6日まで「西都花まつり」が開かれていて、夜桜のライトアップなども行われる。
「桜AIカメラ」で楽しく桜の健康診断

西都原古墳群のソメイヨシノは、多くが樹齢40年~50年。中には70年以上とみられる樹もある。樹齢を重ねた桜の維持や手入れが課題となる中、大手ビールメーカーのキリンは、桜の名所を守ろうと、AIを使った桜の健康診断サービスを始めた。
西都市商工観光課 横山瑛一さん:
西都原の桜も、来歴や、誰が植えたか分からない古い桜の木が多い。そんな中で、桜の元気がなくなっている。受粉の勢いが悪くなっているという指摘もある。

人手や予算不足で十分な管理ができない自治体が増える中、大手ビールメーカーのキリンが開発し、3月17日にサービスを開始したのが「桜AIカメラ」。AIを使って、写真で桜の状態などを測定し、全国の自治体に共有するという、「桜を守る」サービスだ。
桜AIカメラを使ってみると…。

早瀬純哉記者:
今撮った桜の元気度は『元気』ということがわかった。目で見てわからない情報も知れるので、楽しく撮影できる。

樹の幹を撮ることで、その桜の推定樹齢もわかるという。
早瀬純哉記者:
アプリによると、この桜は推定樹齢が42年ということ。このカメラで桜の調査にかかるコストが軽減されることが期待される。
西都市商工観光課 横山瑛一主任主事:
西都原に来ていただいたお客様の力を借りられるのは、行政からはなかなかお願いはできないので、アプリを使って協力いただけるのはありがたい。手伝うというより、楽しんでいただくという気持ちで使ってもらえれば。

また、キリンは桜の保全活動を行う自治体に「キリンビール晴れ風」の売り上げの一部を寄付する活動も行っていて、県内では、西都市と西米良村が選ばれている。
(テレビ宮崎)