「世界最小の赤ちゃん」の成長の記録。わずか258グラムで生まれた男の子が、家族に見守られ3月25日、保育園を卒園した。4月からは小学生。「算数の勉強を頑張りたい」と期待に胸を膨らませている。
“世界最小”で生まれた男の子が卒園
お母さんと手をつなぎ楽しそうにスキップする男の子。
長野県軽井沢町の関野竜佑ちゃん6歳。

関野竜佑ちゃん(6):
「(きょうは何の日?)卒園式。保育園楽しかった。(どんなところが楽しかった?)遊ぶ」

25日は、4年間通っていた保育園の卒園式。
竜佑ちゃん:
「大きくなったら警察官になりたいです」

みんなの前で大きな声で将来の夢を発表した。
体重258g 身長22cmで誕生
2018年10月、竜佑ちゃんは妊娠高血圧症候群による緊急帝王切開で、24週と5日で生まれた。体重はわずか258グラム、身長は22センチ。大人の手のひらに乗るほどの大きさだった。

母・俊子さん(2019年):
「小さすぎて産声もなくて生まれたのかどうか自分で感覚がなくて無事かなと思うだけで不安でした」
父・康平さん(2019年):
「先生たちにお任せで、信用して待つしかないと思っていましたし、そこから先は、彼本人がこの世の中で生きたいか、生きたくないかという話かと思っていました」
無事退院できた中で当時「世界最小」
命の危険があったものの、長野県立こども病院の治療とケア、竜佑ちゃん自身の生命力で少しずつ成長。
生まれて半年後に退院した。

無事、退院できたケースでは、当時、世界最小の男の子だった。
定期健診やリハビリを受けながらも、すくすく成長。1歳で身長は56.1センチ。体重は4400グラムに。

母・俊子さん(2019年):
「こんなに元気に1歳の誕生日を迎えられると思っていなくて普通に過ごせているので、それが一番幸せです」
*1歳 身長56.1cm 体重4.4kg
2歳ごろから言葉を話し始める
1歳10カ月で歩けるようになり、2歳ごろからは言葉を話し始めた。
竜佑ちゃん:
「ママ、ママ」

*2歳 身長65cm 体重5.6kg
3歳になると自己主張もするようになった。
竜佑ちゃん:
「いやだ、いやだ」

*3歳 身長74cm 体重6.9kg
4歳で活発に外遊び 5歳で自己紹介
4歳のころは活発に外遊び。
父・康平さん(2022年):
「前だったら怖がってやらなかったようなことも、自分から率先してやるようになってきたので」

*4歳 身長82.6cm 体重8.5kg
5歳で自己紹介もできるようになった。
竜佑ちゃん(2023年):
「りゅうすけです」
父・康平さん(2023年):
「何歳ですか?」

竜佑ちゃん:
「(ジェスチャーで5歳)」
身長89.1センチ、体重は10キロを超えた。
*5歳 身長89.1cm 体重10kg
6歳になると会話に成長
発声や発語の練習も頑張った。言語聴覚士の下で2歳の頃から言葉の練習を始めはっきり話せるように「構音訓練」に取り組んでいる。
6歳になるとその成果があらわれ、会話にも成長が。

竜佑ちゃん:
「(大きくなったら、何になりたい?)警察です、警察でーす!(なんで警察になりたいの?)だって逮捕する、パキューンって」
*6歳 身長94.2cm 体重11.7kg
思い出が詰まった保育園を巣立つ
そして、3月に迎えた卒園式。家族が見守る中、堂々と入場する竜佑ちゃん。2歳から過ごした思い出の詰まった保育園を巣立った。

たくさん友だちもでき、式が追わると、楽しそうに追いかけっこ。
竜佑ちゃん:
「(卒園式はどうでした?)楽しかった。(卒園式でどんなことを頑張りましたか?)『大きくなったら警察官になりたいです』って言えた。(頑張って言った?)うん」

将来の夢は、5歳の時から変わらず、「警察官」だ。
卒園式には兄2人も参加
3月25日は4人きょうだいの兄2人もかけつけ、竜佑ちゃんの卒園を見届けた。
長男の佑平さんは、弟の成長に目を細める。

長男・佑平さん(18):
「いろいろなことをこの子に経験させてもらい、感謝しかない存在。小さいながらやれることは本当に増えたので、これからも成長を見たい」

次男・隼佑さん(10):
「(竜佑ちゃんは)ちゃんとしゃべれるようになったと思う。(勉強を)分かりやすく丁寧に教えたい」
「算数をがんばる」4月から小学生
4月からはいよいよ小学生、町内の公立小学校に通う。
竜佑ちゃん(6):
「(小学生でどんなこと頑張りたい?)勉強、算数」

2月末の時点で身長は97センチ、体重は12.5キロ。ほかの子に比べると小さいが、元気さは負けない。
母・俊子さん:
「(保育園では)病気もしないでほとんど休まずにみんなと楽しそうにできて良かった。今までは保育園で遊ぶばかりでしたけど、(小学校では)ちょっとだけ勉強してほしいなと。あと何かスポーツを始めてくれたらうれしいですね。小さいけど元気は負けないね、竜ちゃん」

父・康平さん:
「保育園より人数が多くなりますし、友達からの刺激も受けるからすくすく育ってほしい」
竜佑ちゃん(6):
「(お友達はどれくらい作りたい?)100人!いっぱい、いっぱい」

家族が温かい目で見守る中、竜佑ちゃんは期待に胸を膨らませて、4月、小学校に入学する。
(長野放送)