あなたは1日にどれくらいスマホを見つめ、どれくらいSNSを見ているだろうか。

作家でありAI研究家の山田尚史さんは、この時代の「バズと承認欲求につかった生活を再考する必要がある」と警鐘を鳴らす。

その理由は、SNSで“バズる”ような人がさらけだす事柄がSNSを離れたとき、あなたにとって重要なのか、を問いかけたいとしている。

著書『きみに冷笑は似合わない。』(日経BP)から一部抜粋・再編集して紹介する。

スキマ時間のスマホ時間

電車に乗って辺りを見回すと、想像以上に多くの人がスマートフォン、すなわちスマホに目を落としている。特に通勤時間には、片手でつり革につかまり、もう片手で把持したスマホにじっと目を落としている光景をよく目にする。

私が学生だったころは、本を読んでいる人がもっと多かったと思う。ただそれも、単にスマホがない時代だったからなのだろう。本を読むのが当たり前だったという時代背景に加えて、他にやることがなかったから本を読んでいたに過ぎないのかもしれない。

スキマ時間の手元も本からスマホへ(画像:イメージ)
スキマ時間の手元も本からスマホへ(画像:イメージ)
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今の時代、本もスマホも持つことができるが、大部分がじっくりと腰を据えた読書よりも、頭を使わないインスタントな刺激や短いニュースを好む。これはもう本能と言うべきもので、おそらく過去にはそうした特性が生存や繁殖に有利だったのだろう。その中でも多くの人が時間を費やしているのがSNS、すなわちソーシャルネットワークサービスである。

さて、1日の間に、SNSはどれくらい使われているのだろうか?有名なTwitter(現X)などの利用シーンを考えると、だいたい5分、10分もあればタイムラインを追えるし、1日に20分も利用してないんじゃないか?と思うかもしれない。

1日あたりの利用時間は…

あなた自身はどうだろう。もしSNSをあまり利用していない場合は驚くだろうが、世界的にとても多くの時間が投じられていることがわかっている。