13日、大阪・関西万博につながる大阪メトロ中央線が、一時運転を見合わせた影響で、多くの人が帰宅困難となった。
3万人ほどが一時、会場とその周辺に滞留したとみられる。
深夜の万博会場ドキュメント
万博ゲート前の広場を埋め尽くし、身動きが取れなくなった人たち。

これは13日夜10時半ごろの大阪・関西万博会場の最寄り駅。大阪メトロ中央線の夢洲駅前。
万博会場に繋がる唯一の鉄道ルートが、午後9時28分に突如、運転見合わせに・・・。
「ただいま大阪メトロ中央線が運転見合わせとなっています」

お盆休みで大混雑の万博会場。
ゲート前に設置された情報カメラをみると、会場を出た人たちが時間を追う毎にどんどん集まり、駅前広場がごった返し。

“帰宅困難者”であふれかえるという異常事態となった。

万博会場にいた人:
入場規制がかけられていて、夢洲駅の前で人が全然動けない状態で“陸の孤島”になっているんですよね。

13日夜10時の大阪市の気温は29.6℃。湿度は77%とかなりの蒸し暑さ。
中には体調を崩し、救急搬送される人の姿もあった。
記者リポート:
いま、会場内に戻ってくださいというアナウンスがでました。
駅周辺の混雑を緩和するため、博覧会協会はゲートを緊急開放。会場内に留まるよう呼びかけた。
記者リポート:
みんな万博会場の中に戻ってきて、大屋根リングまで戻って待機する人たちがいっぱいです。
再び万博会場に戻らざるを得なくなった人混みの中には、フジテレビの記者も…。
記者リポート:
電車が止まって帰れなくなったお客さんが、このようにずっと疲れて座り込んだり、あるいはゲートにもたれかけて、今か今かと電車が動くのを待っている状況です。
博覧会協会によると、会場周辺では一時、およそ3万人が足止めされたといいます。
記者リポート:
こちらはトイレにすごい行列ができていますね。皆さん、長時間の待ち時間の中で、やはりトイレをこのように待っているということです。

さらに水分を求めて、自動販売機の前にも長い列ができた。
そして来場者の疲労もピークとなり…
記者リポート:
こちらベルギー館の前では横になるスペースがあって、皆さん横に待って休んで電車の再開を待っています。
大屋根リングの下にも、長椅子の上で横たわる多くの人の姿があった。
会場内で待機する男女:
めちゃめちゃ疲れてますね。まだ夏なので、外で待つしかないかな、って感じですね。
万博で帰宅困難者が出る異常事態。

大阪府の吉村知事は、自身のSNSで・・・
「できる限り、施設開放して(※大阪ヘルスパビリオンは開放)少しでも快適に過ごして頂けるよう努めます」
大阪府が出展しているパビリオンを開放するとともに、他の施設にも協力を呼びかけた。
すると続々と、施設内を休憩スペースとして開放するパビリオンが現れ、さらに…
記者リポート:
オランダ館が、残っている方に差し入れのサービスをしてます。
水や食料を“無料配布”するパビリオンも。

「ドイツ館の方がお菓子配ってた。すばらしい」

食料だけでなく、コンセントやスマホ充電器などを貸し出す施設もあった。
一方、ポルトガル館では異例の“深夜営業”を始め、パビリオンを観覧する人たちが。
このポルトガル館では売店でビールやワインの販売も開始。たちまち大行列となるなど、真夜中の万博会場では“どうせならこの苦難を楽しもう”という動きも広がり、ミャクミャク像の前では…。
記者リポート:
園内に取り残されたお客さんがミャクミャクと記念撮影をしていますね。

さらには、深夜の万博会場でラジオ体操を始める人たちまで登場。
SNSでは「オールナイト万博」という言葉がトレンドの1位となった。

そして夜が明けると、開放されたチェコ館の屋上では、普段は見ることができない万博会場からの朝日を見る多くの人の姿があった。

そして14日あさ5時25分、大阪メトロ中央線が全線で運行を再開。会場で一夜を過ごした来場者はようやく帰路へ。
14日の万博は通常より30分遅い午前9時半オープンとなった。

一連の事態で、合わせて36人が熱中症とみられる症状などで救急搬送された。
“陸の孤島”の万博会場に直結する「唯一の鉄道路線」で起きた今回のトラブル。
大阪メトロは14日会見し…

大阪メトロの会見:
多大なるご迷惑をおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます。
復旧まで8時間ほどかかったことを謝罪。

原因については、車両に電気を供給するための装置の「停電」などと説明。
来場者への情報発信が遅れるなど、課題があったとして、再発防止に努めるとしている。
(「イット!」8月14日放送より)