調査によれば、2024年現在、全世界のインターネットユーザーの1日あたりのSNS平均利用時間は143分(※1)に達している。
最も長い国はブラジルで、同国のインターネットユーザーは平均して1日に約4時間をSNSに費やしているという。1日は24時間なので、実に16%もの時間を毎日毎日費やしていることになる。
こうして可視化されると、習慣とはいえ、これはちょっとどうなんだ、という気になるのではないか。無論、何かをしながらではあるだろうが、食事や風呂の時間の合計に匹敵するほどの長時間だ。生物学上は不要にも見えるこの活動に、今や全人類が熱中し、生きていくうえでなくてはならないものになっているのは、なんとも不思議なことだ。

あなた自身の利用時間は、あなたのデバイスのスクリーンタイムという機能で確認できるので、ぜひ確認してみてほしい。
きっと他の多くの人と同様に、思ったよりも長い時間を費やしていたことに驚くだろう。つい2、30年前まではSNSなんて概念すら存在しなかったわけで、人々の生活様式がここまでガラッと変わってしまうというのはとても興味深いことだ。
同時に、この令和の世の中で、バズと承認欲求にどっぷりと浸かった生活が本当に望ましいのか、再考する必要があると私は考えている。
人はSNSに何を求める?
そもそも人々は、SNSに何を求めているのだろう。使い始めるきっかけは、現実での友人との交流が第一歩かもしれない。ニュースを読もうとする人もいるだろう。
誰かに注目されたい、あるいはそれを通じて自分の価値を確かめたいという、承認欲求もあるかもしれない。そうした原動力の一つにFOMO(Fear of missing out)、すなわち流行に後れることへの恐怖があるという。