実際のデータ(※4)でも、1日あたりの動画視聴時間は平均2.1時間、世代別では、Z世代「2.9時間」、ミレニアル世代「2.2時間」、就職氷河期世代「1.7時間」、バブル世代「1.6時間」。「よく視聴する動画メディア」では、「YouTube」が90.8%(重複回答あり)と覇権を取っている。
Statistaの調査によれば、2018年のものにはなるが、YouTubeの平均動画長さは11.7分(※5)とのことだ。
つまらないかもしれなくても…
しかも、再生速度(倍率)の平均では、Z世代は1.5倍速であるという。つまり、短い動画をさらに倍速を利かせて1日に何本も見る、というのがZ世代の毎日のルーチンということになる。
さらにひどい話では、YouTubeには1本の映画を5分にまとめた動画もあるというのだ。こうした動画はファスト映画と呼ばれ、複製権、翻案権、公衆送信権などの複数の権利侵害をしている場合も多く、その違法性が問題視されている。

だが悲しいことに、こうしたファスト映画を好んで見るユーザーがいるのも事実だ。まず皆さんは、こうした違法行為には絶対に加担しないようにしていただきたい。
そのうえで、仮にそれが合法な行為であったとしても、皆さんにはそれぞれの作品を制作者の意図する形できちんと見るようにしていただきたい、というのが私からのお願いである。
それぞれの作品には、適切な長さというものがあるのだ。それを5分にまとめて、劣化しないはずがない。一方で、先に5分のまとめを見て、それで面白かったら劇場に行くというのもやはりおすすめはできない。
作品を初めて見るのと、次にどんな展開が来るかを知りながら見るのとでは印象が全く違うのは明らかである。