中野サンプラザ跡地の再開発計画が、事業費の高騰でいったん白紙となることが判明し、波紋が広がっている。
2023年7月に閉館も工事は進まず
中野区民からはこんな声が聞かれた。「悲しいことですけれど、なんとかならないんですか」「新しい施設ができるのであれば、早いとこやっていただいた方がいいと思いますよね」。

結婚式やコンサートの会場などとして多くの人に愛された中野サンプラザは、2023年7月に老朽化などにより閉館。
その跡地や周辺には、住宅やオフィスなどが入る複合施設が建設される予定だった。

しかし工事は進んでいない。
跡地の周囲はガランとして、中には人はいない。
周りを見てみるとオレンジ色のフェンスがあるが、まったく重機などはなかった。
建設費用の試算は当初の2倍近くの3539億円に
再開発が進まない理由は、資材や人件費の高騰による度重なる建設費用の見直し。

当初の試算は約1810億円だったが、2024年9月にはその2倍近くになる3539億円に膨らむ可能性が出てきていた。

関係者によると、中野区は事業者である野村不動産などに対して、協定の解除を申し入れる方針だという。
解除されれば再開発計画は白紙となり、今後事業者の選定を含め、あらためて計画を作り直すことになる。
野村不動産は、FNNの取材に対し「コメントできない」としている。

都内では、JR五反田駅近くの商業施設TOCビルが一時閉館したものの、建設費の高騰などを理由に建て替えを延期していた。
再開発見直しは今後も増えると専門家
こうした再開発の見直しは、今後も増えると専門家は指摘する。

不動産コンサルタント・長嶋修さん:
建築費の上昇はこの10年ぐらい続いているんですね。中野サンプラザに限らず、今後のありとあらゆる全国のプロジェクトが、計画の見直し、あるいは中止ということになる流れだと思います。
(「イット!」3月10日放送より)
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