「少なくとも2~3社の見積もりを取りましょう。片付ける家に来てもらい、直接話しながら見積もりを出してもらうことで、相性がいい業者や信頼できそうな業者を見つけられると思います」

中には送った写真だけで見積もりを出す業者もいるが、直接来てもらうことがポイントの一つ。

現場を見て見積もりを作ってくれる業者は信頼度が高い(画像はイメージ)
現場を見て見積もりを作ってくれる業者は信頼度が高い(画像はイメージ)

そして、見積もりに来たスタッフの雰囲気や服装、言葉遣いだけでなく、見積書の内容も重要。「○○費一式」のような大雑把な表記ではなく、項目を分けて記載している業者のほうが信頼できるという。

「費用にも注目しましょう。3LDK~4LDKの戸建ての整理で20~30万円が相場といえます。相場と比べて高すぎる業者はもちろん避けるべきですが、低すぎる業者も後になって追加料金が発生したり資産を持ち去られたりする恐れがあるので、要注意です」

注目すべき「資格」

悪質な業者を見抜くもうひとつのポイントが資格と許可証。「遺品整理士」「一般廃棄物収集運搬業」「古物商」などを取得していることが、優良な業者を見分ける基準の一つになる。

「遺品整理業は資格がなくてもできる仕事だからこそ、資格を持っていることが安心感につながると考えています。私たちが認定している『遺品整理士』は個人情報の扱い方に関する知識も必要な資格なので、遺品の取り扱いに信頼感を持っていただけると思います。また、認定する際は反社会的勢力とのつながりがないかどうかも厳しくチェックしています」

家族の思い出や家財を任せる遺品整理業者。気持ちのいい片付けを行うためにも、業者探しは手間を惜しまずに行ったほうがよさそうだ。

(遺品整理の苦労や相場についてはこちらの記事で紹介)

木村榮治
一般財団法人遺品整理士認定協会理事長。第三セクター社員を経て病院および民間企業などで勤務。親の遺品整理に立ち会った際、整理業者のずさんな対応に心を痛め、2011年、遺品整理士認定協会を設立。2025年3月現在6万人以上の遺品整理士を誕生させている。著書に『遺品整理士という仕事』(平凡社)、『遺品整理士が教える 遺す技術と片付けの極意 家族の負担を減らす生前整理のすすめ』(メイツ出版)など。

取材・文=有竹亮介

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