千葉・大網白里市で11日未明、水道管が破裂し道路が陥没する事故が発生した。
水道管に関連する事故が全国で相次いでおり、国交省によると、2021年時点で耐用年数を超えている下水道管が全国で全体の5分の1存在し、今後、老朽化が急速に加速していくことが予想されるという。

耐用年数超える下水道管は全体の5分の1にも

千葉・大網白里市で11日未明、水道管が破裂し道路が陥没した。

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青井実キャスター:
この水道管に関連する道路の陥没事故が相次いでいる印象です。

宮司愛海キャスター:
最近起きたものを振り返ります。まずは2024年9月、千葉・市原市の国道で、水道管の腐食による破損で道路が陥没しました。大きく凹んでします。

1月28日には、埼玉・八潮市で下水道管の老朽化により陥没が起き、トラックが転落する事故がありました。こちらはいまだ復旧作業中です。

宮司愛海キャスター:
そして6日、愛知・名古屋市でも陥没が発生し、乗用車のタイヤがはまる事故が起きています。現場のすぐ横では水道管を交換する工事が行われていて、関連を調べているということです。

宮司愛海キャスター:
各地で道路の陥没が起こる原因について、地盤に詳しい藤井基礎設計事務所の藤井俊逸代表に話を聞いたところ、下水道管の破損は老朽化が原因のことが多いということでした。

水道管の耐用年数とは?

宮司愛海キャスター:
では耐用年数は、どの程度なのかということですが、まず上水道管が40年、そして下水道管が50年の耐用年数だとされています。全国的にこの耐用年数を超えた水道管が今、多いということです。

国交省によりますと、2021年時点で40年を超えている下水道管が全国で約22.1%ということで、全体の5分の1が耐用年数を超えていて、今後、急速に加速していくことが予想されます。

青井キャスター:
ただ今回の千葉の水道管は使い始めて30年ということで、耐用年数は超えていませんでした。

宮司キャスター:
その点について、藤井代表に伺いますと、水道管破損の原因は老朽化だけでなく、例えば寒さによる凍結や過去の工事で傷つきやすくなって破損しやすくなっていること。
地盤の変化によって、破損しやすくなっているといったことも考えられるということでした。

各地で緊急点検進むも…上水道調査は難しい側面も

青井キャスター:
陥没事故が相次ぐ中、八潮市の道路陥没があった後、それを受けて水道管の緊急点検もしていました。

宮司キャスター:
千葉県は10日、路面の目視の確認、マンホール内の目視の確認、地中レーダー搭載の探査機調査を行いましたが、結果として異常は確認されなかったと発表しています。
しかし、この調査は下水道管の緊急点検で、大網白里市の破損は上水道だったわけです。

青井キャスター:
下水道の点検では、上水道の異常に気づけないものなのでしょうか。

宮司キャスター:
点検は別物で、上水道は綺麗な水が通る管のため下水道のように人やカメラが入って確認するのが難しい面があると言います。ただ、探査機の調査で上水道の付近に空洞があった場合、気づける可能性もあるということでした。

そして、藤井代表によりますと、点検・補修工事のための費用や人員が足りていないと指摘していて、根本的に見直す時期に来ているのかもしれないということでした。

人口減少に伴いダウンサイジングも必要か

青井キャスター:
老朽化が進んでおり、交換工事が追いついていないという現状もあるということですけれども、山口さんはどう捉えていますか。

SPキャスター山口真由さん:
高度経済産業期のインフラが今、耐用年数を迎えているわけですが、更新に必要な費用は使用料では全く賄えない状況です。人口が減少していく社会の中で、ダウンサイジングによって、そもそも掛かるコストを減らしていくことも必要かもしれないですね。

青井キャスター:
人員が足りていないという中で、どのように対策をしていくかが課題になりますね。

SPキャスター山口真由さん:
民営化などいろんな方法がありますが、やり尽くしている感はありますね。

青井キャスター:
そんな中で、昨今、道路の陥没が相次いで怖いですから、我々も住んでいる中で。

SPキャスター山口真由さん:
私たちも人ごとじゃないという感覚がありますね。

今も八潮市の現場では普及活動が行われており、トラック運転手の安否も心配なところだ。
(「イット!」2月11日放送より)

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