実家に保管されている大量の荷物。親が元気なうちに片付け始めて、親の資産や大切な思い出の品々を整理しておきたいものだが、何から手をつけたらいいかわからない…。
「まずは、片付けるものを置くスペースやボックスを3つ用意しましょう」
そう教えてくれたのは、遺品整理士認定協会理事長の木村榮治さん。なぜ、3つ用意するのだろうか。
(遺品整理士が教える片付けの「段取り」はこちらの記事で紹介)
3つのカテゴリーに分ける
「たくさんの荷物を分類することで、片付けが進みやすくなります。次の3つのカテゴリーで分けてみましょう」
・残しておくもの
・処分してしまうもの
・残すか、処分か、判断を保留するもの
これらの物を置く仕分け用のスペースや段ボールなどを用意したら、「玄関」「キッチン」「和室」など、エリアごとに進めていくと効率がいいそう。
「大切なのは、ひたすら手を動かすことです。残すか処分するか迷ってしまうと作業が止まってしまうので、すぐに判断できないものは『判断を保留するもの』に入れましょう」

「残す」「処分する」以外の選択肢として「判断を保留するもの」を用意することで、悩む時間を減らし、作業に集中しやすくなる。木村さんも遺品整理の依頼を受けた際には、3つのボックスを用意しているとのこと。
「多くの遺品整理業者はお客様が判断に迷っているものは処分せず、1週間ほど保管しています。2~3日後に『やっぱり残しておきたい』『使いたがってる人がいた』と、連絡をいただくことがあるからです。
家庭では『判断を保留するもの』に入れたものは1年間など期間を決めて、その間に使ったものだけ残すといったルールを決めると、片付けが進みやすくなるでしょう」
写真やビデオは選んで「データ化」
普段使っていない日用品や家具などは判断しやすいが、家族の写真やビデオなど、思い出が詰まったものは仕分けしづらいだろう。