実家の荷物の片付け。親が元気なうちに一緒に進めておくことで、後々の負担を減らすことができるだろう。
しかし、荷物が多くてどこから手をつけたらいいかわからない…。親がモノを捨てるのを嫌がる…など、困っている人もいるのではないだろうか。
遺品整理士認定協会理事長の木村榮治さんによれば、親と一緒に実家の片付けを行うときのコツは、「勝手に片付けない」「捨てても困らないもの→日用品・貴重品→思い出の品物の順で片付ける」ことだという。
やり方を詳しく見ていこう。
(遺品整理士が教える片付けの「仕分け術」はこちらの記事で紹介)
スムーズに進む段取り
「最初に意識してほしいのは、親御さんとのコミュニケーションです。実家には親御さんの大切なものがたくさんあるので、無断で処分して傷つけてしまうことがないよう、事前に片付けることを話し、互いに納得感をもって進めることが大切です」
実家を片付けるという共通認識ができたら、まずは親に「処分しても困らないもの」を選んでもらい、そこから手をつけると始めやすいとのこと。

「処分しても困らないものが片づいたら、日用品や貴重品を整理しましょう。貴重品とは、現金や通帳、貴金属、印鑑、家や土地の権利書、保険・年金・証券に関する書類などのこと。相続や家の処分に必要なので、親御さんが元気なうちに整理・保管しましょう」
そして、最後に家族の写真やビデオ、賞状やトロフィー、子供の絵など、思い出が詰まったものをゆっくり整理するという順番で行うと、片付けが進みやすい。
「片付けは、数日で一気に終わらせようとするのではなく、少しずつ進めることをおすすめします。ただし、途中でやめないことが重要です。『今日は和室の押入れを片付けよう』『今日はキッチンの下の棚を整理しよう』など、小さな目標を立てて確実に進めましょう」
「再利用」なら親も納得しやすい
実家を片付けても、あらゆる家財に対して親から「これは捨てられない」と言われてしまい、ほとんど物が減らないというケースもある。