続く福岡県の深刻な水不足。ダムの貯水率が低い状況が続くなか、少雨の影響は身近な施設にも及んでいる。

「テルテル坊主を逆さまにして…」

福岡県内各地で雨模様となった3月18日の朝倉市、寺内ダム。許可を得てダムの底に降りてみると、この日の雨でダム底の砂は若干湿っていたが、サラサラとした状況だった。

寺内ダムの貯水率は、この日の午前9時時点で25.2%。依然として少雨の影響が続き、ダムの底が露になっている寺内ダム。渇水の長期化が伺える。

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『水資源機構・筑後川上流総合管理所』の篠原亮二・副所長は「(最近は)断続的な雨が降っているが、貯水率の低下は、いま横ばいで推移している。渇水としては厳しい状況にある」と話す。

「雨が降ってほしいと『ふれふれ坊主』というものを職員で作りまして、テルテル坊主を逆さまにして…」と苦笑いを見せる篠原副所長だが、不安な思いは深刻だ。

テルテル坊主を逆さまにした『ふれふれ坊主』
テルテル坊主を逆さまにした『ふれふれ坊主』

福岡県内では糸島市など14カ所の自治体で水道の水圧を下げる『減圧給水』が実施され、渇水への対応が続いている。

こうしたなか、水が欠かせない施設も頭を悩ませている。

水族館も節水モード

福岡市東区の水族館『マリンワールド海の中道』。水槽に使われている水は、多くが玄界灘から汲み上げた海水が試用されている。

マリンワールド海の中道(福岡市東区)
マリンワールド海の中道(福岡市東区)

一見、水不足とは無縁に思われるが、実は、海水だけでなく水道水も欠かせない。『マリンワールド海の中道』の木下克利さんは「水族館で1日に使用するエサを全て冷凍している状態なので、水道水で解凍して…」と話す。

海水ではなく水道水を使用するのには理由がある。木下さんによると「魚についた雑菌をしっかり洗い流したり、殺菌したりすることがとても重要。水道水には塩素が入っているので…」という。

「海水だと雑菌が全然、死なない」というのだ。

水族館の館内で最も水を使うのは…

解凍するエサは1日300キロ以上。大量の水道水が必要となる。以前は、エサが完全に溶けるまでシャワーで水を流しっ放しにしていた状態だったが、節水のため、最近は流水ではなく、地道な“つけ置き”で解凍しているという。

そのため、15~20分で済んでいた溶かす時間も1時間半~2時間かかっている。係員たちの手間も増えているのが実情だ。

ただ、実は館内で最も水を使うのは魚ではない。トイレだ。館内では1日約50~100トンの水道水を使用しているが、その半分を占めるのがトイレの水なのだ。

客足が増える春休みの時期は、さらに使用量が増える見通しになっている。

県内で夜間断水なども検討されているなか、“万が一”に備えて45トンの水道水を貯めているが「水量制限というところまで来るとかなり影響が出てくる。まずは生き物たちを守ることを優先して、節水できるところをやっていくしかない」と木下さんは不安を口にする。

水族館にとっても死活問題となる水不足。いまだ解消は見通せない状況が続く。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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