富山県は県内で麻しん(はしか)の患者が発生したと発表した。医療機関から富山市保健所に麻しん疑い患者の報告があり、富山県衛生研究所が遺伝子検査を実施した結果、麻しんであることが確認された。県では今後、県内でさらなる患者が発生する可能性があるとして、注意喚起を行っている。
患者の概要
今回確認された患者は、高岡厚生センター管内に住む20代の男性。インドネシアへの渡航歴があり、帰国後の今月3日に発熱が確認された。その後、富山市保健所管内にある医療機関を受診し、12日に県衛生研究所による遺伝子検査の結果、麻しんと診断された。現在は入院して治療を受けており、患者および感染源についての詳しい調査が続けられている。
なお、患者は予防接種を2回受けていたにもかかわらず発症しており、ワクチン接種歴があっても感染するケースがあることが改めて示された形となった。
「はしか」とはどのような病気か
麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって引き起こされる感染症で、感染力が非常に強いことで知られている。感染経路は空気感染・飛沫感染・接触感染の3つがあり、免疫を持っていない人が感染した場合、ほぼ100%発症するとされるほど強力なウイルスだ。
感染後、10日〜12日の潜伏期間を経て症状が現れる。最初は発熱・せき・鼻水・目の充血など、風邪に似た症状が2〜3日続く。その後、39℃以上の高熱と全身の発疹が出現し、4〜5日間高熱が続く。多くの場合は7〜10日程度で回復するが、肺炎・中耳炎を合併することがあるほか、患者1,000人に1人の割合で脳炎を発症すると言われている。
また、症状が出現する1日前から解熱後3日程度の期間は、周囲の人へ感染させるおそれがある点にも注意が必要だ。
受診する際の注意点
麻しんを疑う症状(発熱・発疹・せき・目の充血など)が現れた場合は、いきなり医療機関へ行くのではなく、県は、まず電話で事前連絡を行い、麻しんの疑いがあることを伝えたうえで、医療機関の指示に従って受診するよう呼び掛けている。
受診時にはマスクを必ず着用し、電車やバスなど公共交通機関の利用は避け、自家用車などを使って受診してほしいという。
予防にはワクチン接種が最も有効

麻しんは感染力が非常に強く、手洗いやマスクだけでは予防できないとされている。最も有効な予防法は予防接種だ。
定期予防接種の対象は以下のとおり。
第1期 1歳児
第2期 小学校就学前の1年間(年長児)
これらの対象年齢では、速やかに定期接種を受けることが推奨されている。また、麻しんにかかったことがなく、かつ予防接種を2回受けていない人がインドネシアなど流行国への渡航を予定している場合は、出発前にかかりつけの医師へ相談し、接種を検討してほしいと県は述べている。

全国的にも増加傾向 富山では7年ぶりの発生
富山県での麻しん患者発生は、2019年に4人が確認されて以来、実に7年ぶりとなる。
一方、全国的に見ると患者数は増加傾向にある。2024年に45人だった全国の報告数は、2025年には265人、そして2026年は6月3日時点の速報値ですでに523人に達しており、感染拡大が深刻な状況となっている。
(富山テレビ放送)
