目の潤いを維持するムチン。
水を掴む性質があり、粘膜の保護や異物除去などの役割を担っている。

「魚の表面はヌルヌルしていますが、ヌルヌルしていないと水の抵抗を受けて早く泳げないからです。このヌルヌル成分が『ムチン』で、水を掴む性質があります。
子どもが2~3分目を開けていても大丈夫なのは、表面にあるたくさんのムチンが水を掴んでいるからです。しかし加齢によってムチンの量が減少すると、水が掴めなくなり表面が乾いてしまいます」
症状に合わせた点眼薬
目の乾きはムチンの減少だけでなく、涙腺の委縮による涙液の減少や、マイボーム腺の詰まりによる油分の減少など原因はさまざまで、それぞれに応じた以下の点眼薬での治療が必要になる。
【ドライアイに効く点眼薬】
水分を補う「人工涙液」
水分の蒸発を防ぎ保湿する「ヒアルロン酸」
ムチンを増やす「ジクアス点眼液」
目の粘膜の傷を治す「レバミピド」
「虫歯になってから歯磨きをしても手遅れなように、ドライアイも目薬で症状が出ないように予防することが大事です。良くなったからと止めたらまた悪化するので、歯磨き同様、目薬も習慣にすることが大切です」

また、涙を目の表面に留めるために、目の内側にある“涙点”をシリコンで塞ぎ、涙が鼻に抜けるのを防ぐ治療法もある。