2024年は選挙のターニングポイントになったと言われる。
キーワードは「SNS上の切り抜き動画」。一般の人が政治家の発言を切り抜いた動画を拡散し、投票する際の情報源にもなっている。
一体どんな人が、何のために投稿しているのか。
■【動画で見る】『切り抜き動画』ユーチューバー「この人、何かやってくれる」石丸氏見て立ち上げたチャンネルが人気 選挙にも大きな影響か
■SNSで存在感示した玉木雄一郎さん

2024年、SNSで圧倒的な存在感を示した政治家といえば、国民民主党・玉木雄一郎さん。
YouTube「たまきチャンネル」より:みんなで一緒に上に行こう!
6年前に開設した個人のユーチューブチャンネルでは、政策の解説はもちろんのこと…
・「私の認知度調査をやりました」といったゆるい企画
・「玉木ちゃんねる生配信…」視聴者とチャットで会話するライブ配信
などの幅広い動画が配信されている。

これらの投稿が大きく拡散されたワケは…
YouTube「たまきチャンネル」より:たまきチャンネルは切り抜きOK!!どんどんお願いします。
玉木さんが2024年10月の衆院選の際に、自身が公開した動画などを、『自由に切り抜いて投稿してほしい』と呼びかけると、多くの人が玉木さんの演説の印象的な部分を切り抜いて投稿し、SNS上で玉木さんの露出が増えたのだ。
獲得議席も、これまでの4倍となる28議席と、結果にも結びついた。
■「今まで関心なかった人たちが関心を持つように」

「選挙とSNS」について調査を行っている専門家は、切り抜き動画のメリットについて…
選挙ドットコム編集長 鈴木邦和さん:政治とか選挙に対して、今まで関心がなかった人たちが関心を持つようになった。ようやく本当の『ネット選挙時代』がきた。
この戦略を、先駆けて行ったのが、2024年7月の東京都知事選に出馬した石丸伸二さんだ。「切り抜き動画」が爆発的に拡散され、演説には多くの人が集まった。
■「切り抜き動画」チャンネル運営者が投稿する理由

一体、誰がどのような理由で動画を投稿しているのだろうか。
30代後半のこちらの男性は、1年前にYouTubeチャンネルを開設。それまでは動画の編集をしたことはなかった。
Q.編集のノウハウは?
「石丸伸二と日本を動かそう」運営者:都度ググって。なので最初は全く分からないので、下手くそです。
それでも始めた理由は、石丸さんが、広島県安芸高田市の市長として、議会を真正面から批判する姿を見たことだった。
■「自分が発信したほうが伝えたいこと伝えられる」
「石丸伸二と日本を動かそう」運営者:この人だったら何かやってくれるなっていう期待感がたまっていった。石丸さんの情報を知れたのは、切り抜き動画のおかげ。

「石丸伸二と日本を動かそう」運営者:だったら自分が今度は発信したほうが、伝えたいこと伝えられるよねと。会社員だったんですけど…、それだけじゃないですけど、辞めて覚悟を決めてやったって感じですね。
1年で登録者数は25万人を超える人気チャンネルになった。働く時間は会社員時代の倍になったが、収入も倍になった。
■“稼ぐ目的”のため「切り抜き動画」を投稿する人もいることについて…
「収益を得るために、都合の良い動画を作ることがあるか?」という質問に対しては…
「石丸伸二と日本を動かそう」運営者:つまらなかったり、内容がいい加減だったら見られないと思います。

「石丸伸二と日本を動かそう」運営者:ただ目的が僕は違うので、それをやってないと意味がない。『日本を動かそう』というチャンネル名の通り、それをやっていないと意味がないと思っているので、それをやった中で、利益は当然追求しているという話。
あくまでも「石丸さんの考えを正しく、分かりやすく伝える」ことが一番の目的だと強調した。
一方で、SNS上には稼ぐ目的のために「切り抜き動画」を投稿する人もいて、デマや誹謗中傷が出回ることも問題となっていることについて…
「石丸伸二と日本を動かそう」運営者:荒れていくものを見る、みんなが見るのであれば、それは今の日本のレベルなんだと思います。別にそれが見たいんだもん。発信するものにみんなが食いつくなら、それを見るのが今の日本人のレベルだから。それを上げていきたいと思ってやっている。
影響力を高める、「SNS上の切り抜き動画」。今後、どう向き合うべきなのだろうか。
(関西テレビ「newsランナー」2024年12月27日放送)