寒い日が続き、温かいお風呂に入るのを楽しみにしている人も多いかと思うが、冬のお風呂には注意が必要だ。12月6日、歌手で俳優の中山美穂さんが入浴中の事故で亡くなった。その要因の1つとして可能性が指摘されているのがヒートショック。若い人も油断できないヒートショックを防ぐポイントを聞いた。

浴室からの搬送者数が増加傾向に

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2023年までの3年間に、山形県内で住宅の浴室から救急搬送された人の数を見てみると、ここ数年は増加傾向にあり、2023年1年間で635人、夏に比べ冬の時期に搬送が増えている。

冬に気をつけたいのが、急激な温度変化によって起こるヒートショック。

県がん対策 健康長寿日本一推進課・菅野学主査:
リビングなどの温かい部屋からお風呂などの寒いところへ移動すると、急激な温度変化によって血管や心臓に大きな負担がかかることになる。それに伴って血圧が大きく変動する。立ちくらみや気分が悪くなったりといった症状が出ることがある。

県内の場合、暖房が効いた部屋と冷えた脱衣所・浴室との温度差は15度以上とされていて、そこから湯船につかると、さらに急激な温度変化が起こる。湯船からあがるときも同様で、このような温度差で血圧が変動し、ひどい場合は心筋梗塞や脳梗塞・脳卒中などを引き起こし、命にかかわる危険性がある。

県の調べでは、年間約200人が入浴中の事故で亡くなっていると推計され、その数は交通事故死の4倍以上。ヒートショックは高齢者に多いとされている。
菅野主査によると、年齢が高くなると血圧の変化に伴う対応ができにくくなるため、高齢者にヒートショックの症状が現れやすいという。ただ若くてもヒートショックになる人はいるため、若いからといって油断はできない。

日常的に酒やタバコを摂取していたり、運動量が少ないなど、生活習慣によってヒートショックのリスクが高まるという。

ヒートショックを防ぐにはどうすればいいのか、ポイントは8つある。

1)温度差を減らすため、脱衣所や浴室を事前に温めておく
2)飲酒後や食事の直後、薬を服用したあとの入浴は控える
3)家族で声がけをする
4)お風呂の温度は41度以下
5)お風呂からあがるときはゆっくりと
6)入浴前後に水分補給する
7)入浴前にかけ湯する
8)半身浴で心臓の負担を減らす

菅野主査は「時間もあまり長すぎると、脱水症状につながり入浴事故の恐れが出てくる。入浴時間は10分以下を心がけてほしい」と注意喚起する。

その上で、浴槽から出るときは急に立ち上がらないようにしてほしい。

(さくらんぼテレビ)

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