高知県勢初のJリーグ参入を決めた「高知ユナイテッドSC」。キャプテンの小林大智選手と入れ替え戦で先制点を決めた新谷聖基選手がJ3昇格の喜びを語ったほか、ヘディングのコツなど小学生からの質問に答える。これまでユナイテッドを激励してきた元日本代表の永島昭浩さんも電話出演し、J3でどんな戦い方をしていく必要があるのか、アドバイスした。

劇的な入れ替え戦 2人が心境を語る

12月10日、「プライムこうち」のスタジオに、高知ユナイテッドSCからキャプテンの小林大智選手(25)と、入れ替え戦で先制点をあげた新谷聖基選手(26)が生出演した。

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まず、J3に昇格した入れ替え戦について聞いた。
初戦を終え、2戦目で全てが決まる劇的な入れ替え戦。小林キャプテンは「笛が鳴るまでは気持ちは緩められなかったですし、ただ2点目が入った時に大きく(勝利に)近づいたなっていうのは実感しました」と振り返った。

試合ではいつもは冷静沈着な小林キャプテンとしては珍しく、相手選手ともみ合いになるシーンもあった。この時一体何があったのか?

小林キャプテンは「熱いタフな試合になるっていうのは分かって、その中で戦う姿勢っていうのをチームに示さないといけなかった。相手の9番の方もよく知ってて、チームメイトだったので。戦う気持ちというのを見せてくるというのは感じたので、そこに負けないようにというので熱くなっちゃいましたね」と話した。旧知の仲だからこそ、お互いの闘志がぶつかり合った瞬間だったようだ。

一方、小林キャプテンからの見事なクロスを頭で合わせた新谷選手は、「もう素直に嬉しい気持ちと、『よっしゃ』っていう気持ちが強かったです」と、先制ゴールを決めた時のことを振り返った。

小林キャプテンのクロスについては「すごい質も良くて、ジャンプして頭当てるだけという感じだった。結果、綺麗に入ってくれたので良かったです」と話す。

今シーズンではなかなかゴールを決められない時期もあったが、新谷選手は「前期はちょっと(点を)取ってたんですけど、後期は1点も決められていなくて。この当日にスタメン発表されて、その時に『やってやろう』という気持ちは人一倍あったかなと思います」といい、試合前の気持ちの作り方も、大一番でゴールを決めたことにつながったようだ。

「コツを教えて」小学生から質問も

この日のスタジオには、課外学習の一環で、高知・香南市にある香我美小学校の児童が高知さんさんテレビの見学に訪れていた。小学生たちの間でもサッカー熱、さらには「高知ユナイテッド熱」が高まっていた。

高知初のJリーグチームとして、子供たちにとってはこれからの将来の目標になる存在になった2人に、将来、高知ユナイテッドの選手になるかもしれない子供たちからの質問を投げかけた。

はじめに、5年・秋元えん君からの「ヘディングのコツを教えてほしいです」という質問に、新谷選手が答えた。

新谷選手は「ボールの質とか状況にもよると思うんですけど、タイミングよく中に入っていったりとか、しっかりボールを最後まで見るっていうところですかね」と話し、「怖さや恐怖心もあるとは思うんですけど、怖さをなくすために最後までしっかり見るっていうのは1つポイントかなと思います」と技術だけでなくメンタル面でも小学生にアドバイスをした。

5年・野村櫂生君からは「キャプテンとしてどういうことを頑張ってますか?」と、小林キャプテンに質問があった。

小林キャプテンは「言葉とか何かをうまく伝えようとかいうわけではなく、サッカー選手だとしたらプレーで示して背中で引っ張れたなと。僕自身も、キャプテンをするような人間というか、明るいキャラだったので、やっていけばそのキャプテンに近づいていくんじゃないかというので、自然とそうなったかなと思いますね」と語った。

最後に、5年・間城和葉さんから2人に「これからサッカーを始める人に何かひとことはありませんか?」という質問。

小林キャプテンは「まずは、小さい時はゴールを決めることだったりボールを奪うこと、そういう楽しさを知ればどんどん練習もしたくなると思いますし、まずは楽しむところから始めれば自然と上手くなるんじゃないかなと思います」と話し、新谷選手も「やっぱり楽しむということが一番大切なんじゃないかなと思いますね」と、楽しさを知ることが大事だと2人とも答えた。

今季 開幕7連勝もJ昇格までの苦難

続いて、「今だから言える」J昇格までの道のりを2人に聞いた。
今シーズン開幕7連勝を記録したが、2人は、2024年は独走で昇格できると思っていたのだろうか。

小林キャプテンは「独走ではさすがに厳しいんじゃないかなと思ってたのと、どこのチームもどこのカテゴリーでも、最後に足踏みは来るとは思ってたので。きれいに僕らも足踏みがありました」と、振り返る。

新谷選手は、7連勝について「すごいことだと思ってたんですけど、まだ7試合終わっただけだったので。何が起こるか分からなかったので、1試合1試合っていう気持ちでやってましたね」と話す。

新谷選手といえばトレードマークの金髪。
新谷選手は「2位になった時に『1位目指すぞ』っていう気持ちでちょっと明るくした」と、金髪に染めたきっかけを話した。髪を染めているのは新谷選手の妻で、今回のJ昇格も喜んでいたという。

以前、サッカー選手だけでなくホームセンターで働いている様子も取材した新谷選手。「僕がしんどい時期とかもずっと支えてもらって、一番近いところで見てもらった」と、妻への感謝の気持ちを語った。

元日本代表の永島昭浩さんもコメント

高知さんさんテレビでは以前、サッカー元日本代表の永島昭浩さんと小林キャプテンを取材した。高知ユナイテッドのご意見番こと永島昭浩さんは、この日、生電話で出演した。

永島さんから見た今回の入れ替え戦の勝因は、「現地で、ホームの高知での試合を見たときの内容よりも、非常に攻守に渡って素晴らしい仕上げをして戦った、本当に勝利に値するゲームだったと思います」と話した。

高知ユナイテッドが勝てなかった時期、永島さんが小林キャプテンに厳しい激励を送ったこともある。そのときの心境についても語った。

サッカー元日本代表の永島昭浩さん:
僕がどこまで言っていいかなっていう感じはあったんですけども、小林キャプテンとお話して5秒、10秒くらいで、この人には言った方がいいなと、受け入れてもらえるなっていうのは分かったんで。それでちょっと思いの丈っていうか、熱い思いで言っていいだろうという中で伝えたので。それが良い方に伝わったのか悪い方に伝わったのかわかんないんですけども、自分は正直な気持ちで、勝つためにはこうだっていうことを小林選手には伝えさせていただきました。

いよいよJ3。今後の戦い方について、永島さんは「一つ一つの精度を高めていかないといけないですし、“毎試合”だけではなくて“毎日”、ベストを尽くして、好きなサッカーを人生かけて、性根を据えてやるっていうことが必要だと思いますね」と話す。

サポーターと高知県民にメッセージ

2025年、いよいよ高知にとっての「J元年」がスタートする。
2人はサポーターに向けて、また高知県民に向けて、メッセージを送った。

小林キャプテン:
今シーズン、ホームでもアウェーでも関係なく熱い声援を送ってくださったサポーターの皆様、本当にありがとうございました。来シーズンはJリーグの舞台になります。もっともっと厳しい戦いが続くと思いますが、今年以上の後押しをよろしくお願いします。

新谷選手:
今年1年、応援ありがとうございました。J3がゴールではなく、さらに上、J2、J1とあるので、まずJ2を目指してまた一丸となって戦っていくので、高知県全体で応援をまたよろしくお願いします。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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