そうはいっても、 なかなか理想的な食生活が送れないのが年末年始。時には暴飲暴食してしまうこともあるだろう。「そんな時は、食事の前、食事中、そして翌日に調整しましょう」と道江さんは話す。
食前・食中にできる工夫
(1)当日の昼や夜の食事で調整する(朝ご飯は抜かない)
「あらかじめたくさん食べることが分かっている場合は、昼か夜どちらかの食事の量を減らして調整するのも手です。ただし、朝食は抜かないほうがベター。朝食を食べたほうが体温が上がり、代謝が高く保たれます」
(2)食事の30分~1時間前に食物繊維が取れる食品や飲料を取っておく
「集まりや飲み会に備えて絶食するのではなく、食前に食物繊維が取れるもので軽くお腹を満たしておくのがお勧めです。“セカンドミール効果”といい、空腹でいきなり食べるよりも血糖値の急な上昇を防いで太りにくくなる効果が期待できます」
(3)小皿に取り分けて食べた量を把握する
「年末の飲み会やお正月には大皿料理が出てくることが多いもの。最初に自分が食べられる量を小皿に取り分けておくことも、食べ過ぎを防ぐテクニックです」

(4)アルコールと無糖のソフトドリンクを交互に飲む
「アルコールは食欲を増進するので、飲みすぎに注意を。酔いすぎないことで、どれくらい食べたのか分からなくなってしまうことを防ぐことができます」
(5)冷や奴(豆腐)や枝豆を積極的に食べる
「豆腐や枝豆に豊富に含まれるたんぱく質やビタミンB1にはアルコールの分解を助けてくれる効果があります」
(6)野菜系の料理を先に食べる
「キャベツなどの野菜系のヘルシーな料理を先に食べることで、揚げ物など脂っこくて高カロリーなものを食べ過ぎることを予防できます」
ちなみに、おせち料理にはそこまで高カロリーなメニューは含まれていないそう。なお、切り餅(50gの場合)は1個で約110kcal、丸餅(40gの場合)1個で約90kcal。切り餅なら2個、丸餅なら2個半でご飯小盛り1膳分(約150g)約230kcalと同じくらいのエネルギーになるので、参考にしてほしい。
食べ過ぎは“ならして”解決
道江さんは、1日に必要なカロリーをオーバーしてしまった時は、翌日以降のカロリーをコントロールすることを勧める。
1日に必要なカロリーは、性別・身長・体重・活動量によって異なるので、まず、自分の適性値を把握しておくことが必要だ。
「例えば、30~40代のデスクワークの女性が1日に必要なカロリーは1750kcal。もしその人が1日で2500kcal食べてしまったとしたら、翌日は1日の合計を1500kcal程度に抑えるといいでしょう。トータル7日間で“ならす”ことを意識します」
全体的に “腹八分目”を心がけ、特に夕食を軽めにするのがいいとのことだ。
「ただし、無理をして極端に食事量を減らす、あるいは絶食はしないでほしい」と強調する。体温が下がって代謝が低下し、短期的には体重が減ってもやせにくい体になったり、体調を崩したりする原因になってしまうという。

「食べ過ぎて翌日の体重が1kg増えたからといって、その1kgがすべて体脂肪になるわけではありません。毎日体重計に乗って継続してチェックしていくことが大切です」
カロリー調整の他にも、飲み会や会食で不足しがちな野菜や海藻といった、食物繊維が含まれる食物を多めに取るとよいそうだ。