国内外のトップ選手以外に、市民ランナーも人気になっている厚底シューズ。

『厚底シューズ時代の新・体幹ランニング』(講談社)の著者で、プロ・ランニングコーチの金哲彦さんは2007年頃から「体幹ランニング」を提唱。そして厚底シューズ時代だからこそ、「体幹ランニング」が必要だとする。

そもそも体幹ランニングとは何なのか。一部抜粋・再編集して紹介する。

厚底時代こそ「体幹ランニング」が必要

私が提唱する「体幹ランニング」は、いまやすべてのランナーのグローバルスタンダードに
なったと自負しています。

体幹ランニングこそ、人種も性別も年齢も関係なく、ヒトという動物が走るときの本来の動きに即したもっとも機能的な方法だからです。

体幹ランニングをテーマとした書籍を私が初めて出したのは、2007年。日本における現在のマラソンブームのきっかけとなった「東京マラソン」がスタートした年です。

体幹をうまく使えないと故障を負うリスクが高まる(画像:イメージ)
体幹をうまく使えないと故障を負うリスクが高まる(画像:イメージ)
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以来、日本で市民ランナーは増え続けています。マラソンに関心を持つ人たち、ランニングを楽しむ人びとが増えているのは、ランニングコーチである私にとっては喜ばしい限りです。

さらに、令和の厚底シューズ時代になっても、もっというなら厚底シューズ時代になったからこそ、体幹ランニングの重要性はより高まっていると考えています。

体幹をうまく使って走らない限り、せっかくの厚底シューズの恩恵を十分得られないばかりか、故障を負うリスクが高まる可能性すらあるからです。

一方、市民マラソンにゲストなどとして呼ばれてよくよく観察してみると、ランナーの大半は厚底シューズを履いているにもかかわらず、誰もが体幹ランニングを実践できているわけではないという事実に気づかされます。

体幹ランニングには、まだまだ“伸びしろ”がありそうです。

体幹ランニングってなに?

そもそも体幹ランニングとは何か。あらためておさらいしてみましょう。