食事に気を使っても、仕事や友人との付き合いでついつい深酒をしたり食べ過ぎたり、女性の場合は生理前後で食欲の高まりを抑えられなかったり…、という日もどうしても出てくるだろう。
この記事の画像(9枚)そういう時でもやっぱり“理想の体型”のためには我慢するべき?食べ過ぎた場合はどうすればいいの?健康面も考えつつ、食欲とどう向き合えばいいのか。YouTubeなどでフィットネス情報を発信する、ダイエットコーチの計太さんに聞いた。
翌日の“帳尻合わせ”は食欲を乱す
普段は気を付けているのに、今日は食べ過ぎてしまった。そんな時、「明日の食事を抜いたら大丈夫」と安易に考えてはいないだろうか。我慢して帳尻を合わせたくなるところだが、ここに落とし穴が。計太さんによると、無理に我慢すると“食欲の乱れ”をまねく恐れがあるというのだ。
例えば、お腹が空いているのに朝食を抜いたとすると、昼食やおやつのタイミングで食欲が高まりやすくなる。そこで食べると、血糖値(血液中のブドウ糖濃度) が一気に高まる。その結果、血糖値が乱高下してしまい、さらに食べたくなることもあるそうだ。
食欲をコントロールする意味でも、お腹が空いているなら朝食から食べるべき。ダイエットを考えるなら、少なめの量にしたり、脂質の摂りすぎに注意したりすればOK。
「個人的な考えですが、食欲は精神力ではどうにもならないと思います。爆発するのなら睡眠不足や慢性的なストレスなど、日常の問題が原因となっているかもしれません。あふれた食欲は食べると一旦は落ち着くと思うので、そこから生活の見直しをしていきましょう」(以下、計太さん)
炭水化物は抜くよりも種類を考えて
次は白米、パン、麺類などの炭水化物。太りそうなイメージもあるため、ダイエットでは「夜はご飯を抜こう」などと考えがちだが、これはお勧めできないそうだ。
計太さんによると、一切の炭水化物を抜いてしまうと、食後に空腹感を覚えて、睡眠の質が下がる可能性があるという。その結果、睡眠中に分泌される“食欲を安定させるホルモン”が減ってしまい、食欲が不安定になるという悪循環に陥ることもあるそうだ。
夜に炭水化物を摂りすぎるのも、かといって抜くのも良くない…。ではどうすればいいのか。実は気軽に意識できるポイントがあるという。炭水化物は原材料もさまざまで、食欲を安定させる「食物繊維」 が多く含まれるものもあるのだ。
「食べるなら白米よりも玄米、普通のパンよりも全粒粉のパン、うどんよりもそばが良いでしょう。オートミールやイモ類なども、食物繊維は多いとされています」
炭水化物の一部を置き換える、食物繊維をプラスする商品を活用するなどの方法もあるので工夫をしてもいいだろう。
また、消化不良や食事のタイミングの乱れにつながるので、食後すぐの就寝はNG。生活リズムにもよるが、就寝の3時間前には食べ終えていることが望ましいそうだ。
お勧めレシピ「ほぼ汁なし味噌汁」
これらの留意点を踏まえた上で、計太さんがお勧めするのが具沢山の「ほぼ汁なし味噌汁」だ。食欲のコントロールにも役立つというので、試してみてもいいだろう。
【具材】
(1)かぼちゃ(サツマイモでもOK)、玉ねぎ、切り干し大根、ニンジン
(2)千切りにした生姜、きのこ、ズッキーニ
(3)味噌
※お好みで、だしパック、豚肉、豆腐など
【作り方】
鍋に(1)、野菜が半分ほど浸かるくらいの水、少量の塩を入れて煮る。くたくたになったら(2)を入れてさらに煮る。だしパックなどはこのタイミングで。具材すべてに火が通ったら、最後に味噌を入れて整えて、完成。
甘い物を食べるなら?生理の時はどうすればいい?
そして気になるのは、止められない人も多いであろう「おやつ」。甘いものが食べたくなった時の注意点について、計太さんは、食べるタイミングは「何もしていないときよりも、運動後のほうが望ましい」と話す。
運動後は筋肉のエネルギー源である「グリコーゲン」を消耗していることが多いため、甘いものを食べたとしても、回復や補充に使われやすいのだという。お勧めなのは、脂質が少なく、血糖値も上がりにくいというフルーツだ。逆に洋菓子は脂質と糖質がセットで高くなりがちなため、できれば避けてほしいとのこと。
また、女性は生理周期の関係で、食欲が爆発的に増えることもあるはず。そんな時は、朝昼晩の食事量を少し増やして、お菓子などを食べる頻度を減らせると良いという。ただし、食欲が抑えられないときは“ダイエットの休戦期間”と割り切るのもあり。生理中の運動は本人ができる状態なら、軽いものやストレッチは行って問題ないそうだ。
計太さんは「食事は排除すると、人生が楽しくなくなってしまいます。何の気なしに食べることは良くないですが『友達と会う日』などは、楽しんでほしいですね」と話す。ボディメイクをしたいなら、“負担にならない程度”で挑戦するのがポイントだ。
計太
大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。専門は運動生理学。大学後はジムトレーナーとして勤務していたが、リバウンドに悩む人の多さを目の当たりにして一念発起。2018年に立ち上げたパーソナルジム「ボクノジム」は都内の3店舗、奈良県の1店舗に加えてオンラインジムを展開、主にダイエット指導と姿勢改善に精力的に取り組んでいる。
日々情報を発信しているYoutubeチャンネルの登録者数は12万人を超えている(2024年2月現在)。
計太さんのYoutubeチャンネルはこちら
(www.youtube.com/@ke_ta)