では、愛犬の分離不安が疑われたらどうすればいいのだろう。
平松さんによれば「後追いをしたり、鼻を鳴らす」などの行動にとどまっているなら、不安は“まだ軽め”。自宅で“離れて過ごす練習”をするだけでも、改善できることが多いという。

ただ「いつもはしない場所に排泄する」「食欲不振」「物事に興味を持たない」様子がみられるなら、不安をため込んでいる可能性が高い。
膀胱炎などの病気になっていないか確認した上で、不安を煽るような環境や行動を見直してほしいとのことだ。
「ご相談の上で、となりますが、ワンちゃんの気持ちを落ち着かせるフェロモンもあります。不安やストレスを緩和できますので、獣医師に相談していただければと思います」
破壊・攻撃行動があるなら相談を
そして「家具を壊すなどの破壊行動」「人間を噛むなどの攻撃行動」が見られるなら、不安で“気持ちが暴走”している可能性が高いという。この場合は飼い主だけでは対処が難しいので、獣医師や動物病院に相談してほしいそうだ。
「ここまで行くと一般の方が対処しようとしても、かえってこじれることが多いです。行動的な治療をできる先生を紹介したり、ドッグトレーナーに仲介に入ってもらうのが良いです」

分離不安は年齢を重ねたり、症状が重くなると対処が難しくなるともいう。
「飼い主さんは『こんなことを相談して大丈夫かな』と思うかもしれませんが、ワンちゃんの行動や姿に少しでも違和感を覚えたら、相談に来ていただけると助かります」
平松さんは「ワンちゃんとは『つかず離れず、でもそばにいる』が望ましいのではないでしょうか。良い夫婦に似ているかもしれませんね」と話す。愛犬との関係性が気になるなら、参考にしてみてもいいかもしれない。