犬は感情表現の豊かさも魅力だ。しかし、あなたの後ろをよくついてきたり、部屋にいたずらをしたりするなら、注意が必要かもしれない。

飼い主と離れることが、不安となる「分離不安」を抱えている可能性があるという。放置すると“うつ状態”になり、健康や精神に影響が出ることもあるのだとか。

そこで、知っておきたい基礎知識を、獣医師の平松育子さんに聞いた。見極めのポイントは「気持ちの暴走」だ。

飼い主といることが“当たり前”に

平松さんによると、分離不安は不安障害のひとつ。心の病気と考えられていて、獣医師への相談も増えているそうだ。

”室内飼い”の増加も影響か(画像はイメージ)
”室内飼い”の増加も影響か(画像はイメージ)
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「相談が増えた背景には“室内飼い”の増加もあると思います。室内にいるワンちゃんは、飼い主と一緒にいることが当たり前なので、離れると不安を感じやすいです」

個体差はあるが、分離不安を抱えるとはじめは「鳴く(吠える)」「飼い主の後をついてくる」という行動が目立つようになる。それを放置すると、次のような“異変”も出てくるという。

餌を残したりすることも(画像はイメージ)
餌を残したりすることも(画像はイメージ)

・いつもはしない場所に排泄する
・食欲不振(餌を残すなど)
・うつ状態で物事に興味を持たなくなる
・いたずらなどの破壊行動
・人間を噛むなどの攻撃行動

「家のどこにいてもついてくると思ったら、パニック状態で物を壊したり、あちこちにおしっこしたり。行動を止められず、コントロールできなくなることが多いです」