飼い主から離れることが不安になり、いたずらなど行動や様子に異変がみられる、犬の「分離不安」。

不安障害のひとつで、獣医師の平松育子さんも「体調を崩すこともあるので、あなどってはいけないです」と指摘する。

(前編記事はこちら:“室内飼い”の一般化で増えた?愛犬が“うつ”になることもある「分離不安」…行動の特徴と見極めのポイント

そんな分離不安が疑われたときの対処法を、平松さんに聞いた。飼い主がしがちな、帰宅時の行動が不安を煽ることもあるという。

自宅でも「離れる時間」を作ろう

飼い主が変わった。留守番が増えた。新しいペットを迎えた。こうした環境の変化があると、犬は「見捨てられるかも、愛されなくなるかも」という、不安や寂しさを感じやすくなる。

次第に「一緒にいること=安心」と思いこみ、分離不安に陥ってしまう、とのことだ。

離れる時間を作ろう(画像はイメージ)
離れる時間を作ろう(画像はイメージ)
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愛犬の様子にこんな心当たりがあるなら、毎日の接し方を意識してみよう。お勧めは、自宅にいても「離れる時間」を取り入れることだ。

「おやつを与えた後、部屋を分ける、ケージに入れるなどして離れてみてください。はじめは困惑するかもしれませんが“留守番の練習”になります。終わったら、うんとほめてあげましょう。徐々に時間を延ばせるといいですね」

犬が自然体で過ごせるように

そこでのポイントは、愛犬から“自然に離れる”こと。犬が自然体で過ごせるよう「今から用事があるからひとりで過ごしてね」などと、普段のトーンで伝えてみよう。

または、お気に入りのおもちゃ、おやつを与えたりして、そっといなくなってもいい。

最初は短いスパンで始めてもいい(画像はイメージ)
最初は短いスパンで始めてもいい(画像はイメージ)

同じパターンを繰り返すと、犬も「飼い主はときどきいなくなるけど、大丈夫そうだな」と理解するという。後追いしたり、吠えたりするなら「最初は1分、次は2分」などと、短いスパンから始めるといいそうだ。