そして、子犬か成犬かでも接し方は変わる。
子犬は“まっさら”なので、ルールを教えやすい代わりに修正が難しい。「夜鳴きしているから一緒に寝よう」といったことを繰り返すと、分離不安の第一歩になるので、早めに“離れて過ごす時間”に慣れさせよう。

一方、保護などで成犬を迎えた場合は“前の居場所”で覚えたルールがあるため、まずはどんな環境や状態で不安になるか、観察するのがお勧め。その上で短いスパンから、離れて過ごす時間を作るといい。
こうした点を意識すると、信頼はありつつ“依存しない距離感”が築きやすいとのこと。
「飼い主が外出しようとすると、玄関の近くまで来ますが吠えたりはしない。ドアが閉まったら『やれやれ行ったな』と思って、二度寝をするような関係性が良いと思います」
やってはいけない3つのNG行動
また、分離不安を煽りかねない接し方もあって、注意したい“NG行動”が3つあるという。

1つ目は「犬が鳴いたら(吠えたら)、飼い主がすぐにやってくること」だ。我慢できる不満や困りごとでも飼い主を探すようになり、分離不安が進んでしまうという。
「“飛んでいきたくなる”気持ちは分かりますが、飼い主が来ることが当たり前になってはいけません。様子は把握しつつ、構いすぎないようにしていただければと思います」

2つ目は「帰宅時、犬の出迎えにオーバーリアクションすること」だ。帰りを喜んでもらうのはうれしいが、過剰反応すると“いないときの寂しさ”を増幅させるという。
「まずは『遅くなってごめんね』などと軽くいなし、ワンちゃんが落ち着いたタイミングで『よく留守番できたね』とほめてあげましょう。クールダウンを意識するといいですね」
家庭内のトラブルにも注意
3つ目は「目の前で言い争いをすること」だ。犬は人間の声の勢いやトーン、その場の雰囲気などで感情を理解しようとする。飼い主が言い争いやけんかをしていると、不安やストレスを感じやすくなるという。