東京の多摩動物公園にいたのは、絶滅危惧種である「タスマニアデビル」だ。小動物らしい可愛らしさが特徴だが、低く唸る声から「悪魔」の名が付けられている。声で相手を制し、余計な戦いを避けるため、11種類の鳴き声を使いこなす能力があるという。
“悪魔の名”冠した絶滅危惧種
東京・日野市の多摩動物公園で撮影されたのは、頭が大きくずんぐりとした全身真っ黒の生き物、オーストラリアのタスマニア島のみに生息する「タスマニアデビル」だ。

あまり聞き慣れない名前だが、絶滅危惧種に指定されているタスマニアデビルは、保護プロジェクトに参加しないと飼育できない生き物だ。
そのため、日本では多摩動物公園にいる2匹しか見ることができない。

見た目は体長約60cmと可愛らしいが、なぜ「デビル」と冠されているのか、その理由は、鳴き声にあった。

タスマニアデビルは、「ヴ~~~~~~ッ」という低い唸り声が特徴で、悪魔のように聞こえることから、「デビル」と名付けられたのだ。
撮影した時の様子について、同園の飼育担当・永田さんは「私がカメラを持って近寄っていったので『それ以上はこっちに来ないでくれ』という感じで、こちらを脅かしているというか」と警戒心も強い様子だ。
少なくとも11種類の発声法を持つデビル
タスマニアデビルは唸る以外にも、「プシュ」と鼻を鳴らしたり、「アウフッ」と小さな声で鳴いたりと、少なくとも11種類の発声があると言われている。

発声が豊富な理由について飼育員は、「ケガをするようなケンカをしたくないので、声で相手を制する」のだという。

実は“世界最大の肉食有袋類”の異名を持ち、骨まで噛み砕く強力なアゴを持つタスマニアデビル。集団でエサを食べる際の順番を決めるために、鳴き声が発達したのではないかという。
(「イット!」 10月3日放送より)
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