10日、改めて「特に気持ちに変わりはありませんね」と辞職について否定した、兵庫県の斎藤元彦知事(46)。
86人いる兵庫県議会の全議員が、知事に対して「辞職要求」する事態にまで発展しています。
「めざまし8」は、自治体の元首長である松井一郎氏と泉房穂氏を取材。斎藤知事が頑なに知事の職にこだわり続ける“理由”を探りました。
元首長二人が語る「斎藤元彦知事」
大阪府知事時代、上司と部下の関係でともに仕事をし、「日本維新の会」代表の時には、県知事選で斎藤知事を支持した松井一郎氏。
元大阪府知事 松井一郎氏:
一緒に仕事してきましたけど、パワハラの体質なんていうのは、全く見えなかったです。キャリアの官僚だから、与えられたポジションにおいての公務員としてのスキルは高かった。彼が知事選に立候補した時も、大阪府職員の中では、応援する人の方が(多い)。はっきり言って、「斎藤はダメだよ」っていう声は聞いたことないね。
一緒に働く中で、“パワハラ”など悪い噂については聞いたこともなかったといいます。
辞めない理由については…。
元大阪府知事 松井一郎氏:
自ら辞めるっていうことは、彼自身が自ら「知事としてふさわしくない」と、そういうことを決定づける根拠になるから。
だから、自身は3年間ある中で、政策は進めてきた。そして、職員とのコミュニケーションはまずい部分あったけど、これもやはりちょっと厳しく役所の体質を改善するためだと。
それをやっぱり県民の皆さんに分かってもらいたいと。分かってもらう機会を、やっぱり知事であるということが、そういう機会を持てるっていうふうに捉えているのかなと。
「パワハラ体質」だとは思わなかったという松井氏に対して、前明石市長の泉房穂氏は、知事就任後に態度が一変したといいます。
前明石市長 泉房穂氏:
私なんか誰に対しても、はっきり物を言うので。知事選前にお会いして、3時間ほど話をし携帯の番号をお互い教え合い、ショートメールで連絡はあったけども。知事に就任した後、少し苦言を呈すると直後に着信拒否されましたから。
彼の場合は、自分に対してアドバイスとか厳しい意見に対しては、全部排除していっているわけですから、自分の言うことを聞く人だけを近くに置くという典型的なパターンで。
その上で、“辞めない”理由をこう分析しました。
前明石市長 泉房穂氏:
自分が悪いことをしたと思ってないからだと思います。周りは辞めろと言っているようだけど、「自分は何も悪いことをしていないし、辞める必要性はないんだ」と。自分は被害者だと思っている感じもしましたから。
兵庫県政が停滞している混乱している、これを打開するのは自分が辞めるしかないって普通は考えると思うんですけど、悪いと思っていないからこそ、自分に対して告発した人間については許さないという形で、一連の公益通報者保護法違反のようなことを続けてきたのも、つながっている話だと思います。
今後の動きは?不信任活議案提出も?
11日にも全県議から辞職要求が出される見通しの斎藤知事。
今後のターニングポイントとなるのは、19日にも提出されるとみられている不信任決議案になりそうですが、現状、正式に表明しているのは立憲民主党の議員らの会派のみ。
他党の会派は「検討」という段階です。
不信任案には出席議員の4分の3以上の賛成が必要ですが、自民・維新の賛成がなければ成立は難しいため、各会派の動向が注目されています。
石原都政で副知事を務めた、明治大学名誉教授の青山 佾氏は、今後の動きについてこう話します。
青山 佾氏:
不信任案可決で知事が対抗して議会の解散をして、再び選ばれた議会が不信任案を可決すると辞職ということになるのですが、そういう展開になると県政が年内くらいはほとんど止まってしまうと。知事選ってとても大きい選挙ですから、選挙期間が17日ととても長い期間なんですね。ですから、そういった事態は避けた方が良いと思いますので、普通ですと県知事選で当初推薦なさった政党の方とか、あるいは支援した方とかがご本人を説得するとそういったこともすでに行われているようですし、そういった方が、どちらかというと混乱は少なくて早く次の知事が決まると。
どういう展開になるかは分からないですね、今のところは。
(「めざまし8」9月11日放送より)