台湾の半導体製造大手・TSMC進出の菊陽町が、工業団地の整備を検討していることが分かった。場所はTSMC第1工場南側の約25ヘクタールで、菊陽町の吉本町長は「工業団地を整備することで半導体産業の集積の受け皿となりたい」と話した。

約25ヘクタールで工業団地整備を検討

菊陽町の吉本孝寿町長は、9月5日に開かれた町議会の一般質問で、台湾の半導体製造大手・TSMCの第1工場の南側の土地・約25ヘクタールで工業団地の整備に向けた調査を行う考えを示した。

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調査は町の当初予算の調査費を活用し、2024年9月から2025年2月までの半年間で、現地調査やインフラ調査などを行う予定だ。

菊陽町が工業団地の建設検討を明らかにしたのは、TSMCの進出決定後、初めてだ。

菊陽町・吉本孝寿町長は「半導体産業の集積を進めていく中で、さらなる町の成長につなげていくために新たな工業団地整備の検討を始めていくことにした。菊陽町が工業団地を整備することで(半導体産業の)集積の受け皿となりたい」と話した。

熊本県が目指す第3工場の立地を意識か

また、菊陽町の工業団地の整備検討について木村敬熊本県知事は「様々な可能性を前向きに検討いただき心強い」とコメントしている。

TSMCは第1工場の東側に第2工場を建設する考えで、今回の菊陽町の工業団地の整備検討は、熊本県が誘致を目指す第3工場の立地を意識したものとみられる。

町主導の土地開発に「反対意見なく」

9月11日夜には、土地の調査に向け、町が説明会を実施し、対象となる地権者約100人のうち、約40人が参加した。

吉本菊陽町長は「さらなる町の発展へとつなげるため、新たな工業団地の整備を決意したところであります」と話した。

会は非公開で行われ、町の担当者が土地の調査のスケジュールなどを伝え、説明会終了後、吉本町長は「参加した地権者からは反対意見などは出なかった」と述べた。

参加した地権者は「(表明が)突然だったので、ビックリというか」と、菊陽町の発表に驚いたようだった。

一方で、「(町から)話があれば協力しようと思っています」や「民間でもうけのために(土地が)動かされるのは好きじゃないが、ちゃんとした(町などと)やりとりするのはいい」と、町主導の土地開発については前向きな声が聞かれた。

(テレビ熊本)

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