2024年は土用の丑の日が7月24日と8月5日の2回あり、多くの人が食卓でウナギを楽しんだのではないだろうか。そんな中石川県七尾市のスギヨが製造を再開したのは、ウナギの蒲焼きそっくりのかまぼこ「うな蒲ちゃん」だ。

ウナギの蒲焼そっくりのかまぼこ

ロイヤルカリブ、そして大人のカニカマ、更にはビタミンちくわなどスギヨの商品が続々と店頭に帰ってきている。土用の丑の日を前にスギヨ基幹商品の最後の一つ、うな蒲ちゃんが待望の復活を果たした。

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うな蒲ちゃんはウナギの蒲焼きそっくりのかまぼこで2016年に発売された。古川竜太朗工場長に工場を案内してもらった。「うな蒲ちゃんの箱詰め作業を行っているところ。7月1日から本格的に生産を開始しました」。能登半島地震の影響で工場の天井が落ちるなど製造ラインは大きな被害を受けた。

まるで本物のウナギ!?

地震から半年経ってロイヤルカリブなどに続きうな蒲ちゃんの生産も再開された。毎年、土用の丑の日に話題になる事からいつもは4月から5月にかけて大量に生産してきたが、2024年は例年の半分程になるそうだ。

地震で被害を受けた工場 ※提供:スギヨ
地震で被害を受けた工場 ※提供:スギヨ

それでも古川工場長は「土用の丑の日に向けてうな蒲ちゃんも生産することができて非常に嬉しい」と話す。スーパーに来た客も「前に旦那に食べさせた時、本物のウナギだと思ってた」「子どもが去年ウナギを出したら食べなかったから、うな蒲ちゃんなら食べるかなって出してみようかなと」などと話し、反応は上々だ。かまぼこなので骨も無く、子どもにも人気のうな蒲ちゃん。値段も430円とお手頃だ。SNSでも、うな蒲ちゃん復活に対して「食べるの楽しみ!」「見つけたら即買い推奨!」と投稿されていた。

さらに2024年は、タレをリニューアルし、更においしくなっているそうだ。また食べ方に地域差があるウナギの蒲焼きと同じように、好みに合わせておいしく食べられる方法や様々なレシピをスギヨのホームページで公開中。地震からまもなく7カ月というタイミングで、スギヨの役者が出揃った。

スギヨの主力商品の一つ「ロイヤルカリブ」
スギヨの主力商品の一つ「ロイヤルカリブ」

野球に例えるならば、大谷翔平のように知名度No.1、大人からも子供からも愛される絶対的スターの「香り箱極」。また揚げてよし、煮てよし、そのまま食べてもよしと走攻守3拍子揃った万能プレイヤー、イチローのような「ビタミンちくわ」。そして食べれば衝撃のインパクト、松井秀喜のように食卓で主役を張れる「うな蒲ちゃん」!みたいな感じだろうか。

うな蒲ちゃんの味はプロも太鼓判

スギヨ広報の田畑梨杏里さんは「ウナギの代わりとしてもあるが、そうじゃなく『あっ、コレ好きかも』みたいな新しい発見をしてもらえたら嬉しい」と話す。そんなうな蒲ちゃんを提供している店を見つけた。石川県七尾市の割烹居酒屋「朝漁れ一番 哲」だ。うな蒲ちゃんを使ったピザはうな蒲ちゃんのタレの照りが、照り焼きのようで子どもたちにも人気が出そうなメニューだ。店主の会田哲也さんは「地元の物で何か作りたいなって思ったときに何回か研究して、うな蒲ちゃんのピザに到達しました」と話す。

特別にレシピを教えてもらった。とろろ50gに白だしを5g。これをピザ生地に乗せて、「うな蒲ちゃんは4つに分かれているので4つのうち3つを使います」。タレは使わず4分の3を半分に切ってピザに乗せ、チーズも乗せる。230℃のオーブンで5分間。最後にお好みでワサビと海苔を乗せれば完成だ。

様々なレシピに応える懐の深さ

会田さんはこれ以外にも、細かく刻んだうな蒲ちゃんとスイートコーンの炊き込みご飯や、お通しで出すトマトの上にガリを乗せた人気メニュー、ガリトマトに片栗粉をまぶして揚げたうな蒲ちゃんを乗せたアレンジメニューなど、普段のメニューには載っていない創作料理を考案している。事前にお願いすれば、こうした裏メニューを味わえるかもしれない。

以前は寿司店で修行し、本物のウナギも扱っていた会田さん。プロ目線で見て、うな蒲ちゃんの魅力は何なのだろうか。「食べて僕も普通においしいと思います。お客様に最初に『七尾市にあるスギヨっていうかまぼこを作っている会社のうな蒲ちゃん』って言ってるんですが、人によっては『ウナギ、おいしいな』っていう方もいて、作った方は本当にスゴイなって思います」。プロも太鼓判を押すうな蒲ちゃんの味。これから土用の丑の日には、スギヨのうな蒲ちゃんを味わってみてはいかがだろうか。

(石川テレビ)

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