柔道男子81キロ級で金メダルを獲得し、史上初の連覇の偉業を成し遂げた永瀬貴規選手。小中学生時代の恩師は自宅から声援を送った。今でも毎年恩師のもとに挨拶に訪れるという永瀬選手。恩師は今回も金メダルを首にかけてもらえることを楽しみしている。
「優勝する」と感じていた
永瀬選手の小中学校時代の恩師、山口末男さん(85)は今回の試合は自宅のテレビで奥様と観戦した。
この記事の画像(4枚)永瀬選手の小中学生時代の恩師・山口末男さん:
まさかこんなに強くなるとは思っていなかった。ただ感激して涙が出るだけだった。静かに組んでそっと行くような底力がある。そこは変わっていなかった。
優勝を決めてからは山口さんのもとにもひっきりなしにお祝いの電話がかかってきた。「自分が金メダルを獲ったような感じだった」と喜びを隠せない。
今大会の永瀬選手の柔道は、恩師から見ても「格がひとつ上と感じた」と話す。
永瀬選手の小中学生時代の恩師・山口末男さん:
いつもぎりぎりで危ないと思って見ているが、これはもう勝ったねと思った。今まで多くの試合を見てきたが、“今度だけは初めから優勝するな”と感じた。技のキレも言うことなし。この相手にはこの技が簡単にかかると感じた。
「この子は違う、強くなる」
永瀬選手は山口さんいわく、最初からずば抜けて上手い選手ではなかった。
小学6年生で初めて全国大会に出場した永瀬選手。その頃から他の選手とは違う風格を感じていたと話す。
永瀬選手の小中学生時代の恩師・山口末男さん:
他の選手は負けたら町の見学に行く。でも永瀬選手だけは最後までじっと他の試合を見ていた。その時にも「この子は普通の子と違う。強くなる」と思った。
永瀬選手は当時から人より一歩下がって歩くような選手だった。
永瀬選手の小中学生時代の恩師・山口末男さん:
写真を撮るときも、みんな威張って撮るけど永瀬選手は後ろのほうに並んで入る性格。謙虚さもあるしマジメだから、強いからと言って人の前で胸を張るような選手ではない。人より一歩下がって歩くような優しい子。これは今でも変わっていない。
もう一度金メダルを
永瀬選手は毎年帰省の際には山口さんに挨拶に訪れる。前回の東京オリンピック後は、金メダルを首にかけてくれた。山口さんは今回も報告を楽しみにしていると話す。
永瀬選手の小中学生時代の恩師・山口末男さん:
永瀬選手はあと4年は大丈夫!柔道の内容からいっても私はもう一回、金メダルを獲るだろうと信じているし、祈っている。
教え子の活躍に目を細める山口さん。今の夢は永瀬選手に続くメダリストを長崎から育てることだという。
(テレビ長崎)