開幕9戦未勝利から驚異的な快進撃で9位に躍進したいわきFC。セットプレーからリーグ最多26得点を挙げ、J2アシスト王の山下優人選手の活躍が光った2025シーズン。「よりいわきらしく」を掲げ、サポーターと共に次はJ1昇格を目指す。

サポーターの笑顔あふれる

12月6日、福島県いわき市で開催された「魂の息吹くファン感謝祭」に1200人を超えるサポーターが駆けつけた。選手とサポーターがチームを組んでの玉入れ対決や、選手に肩車してもらう子どもたちの姿も。普段見られない選手の一面に接して「楽しかった。近くで見る選手はカッコよかった」と子どもたちの目は輝いていた。

選手と一緒に楽しむサポーター
選手と一緒に楽しむサポーター
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サインをもらった女の子は「うれしくて、移籍しないで欲しいなぁって思いました」と話し、「サインしてもらったバッグは保管しておきます。汚れたら嫌だから」と大切そうに語った。

「らしさ」を貫いた後半戦の躍進

クラブ創設10周年となる2025シーズン。いわきFCは開幕から9戦未勝利と厳しいスタートを切った。しかし後半戦は息をのむような快進撃を見せ、前年を上回る勝点を積み重ねて9位でシーズンを終えた。
その躍進の背景には、三つの要因があった。

いわきFC 2025シーズンの順位推移
いわきFC 2025シーズンの順位推移

【脅威のセットプレーで魅せた26得点】
今シーズン、いわきFCはセットプレーからリーグ最多の26得点を挙げた。その多くはJ2アシスト王に輝いた山下優人選手の左足から生まれた。
「やっぱり山下選手のアシスト、キックはすごいですよね」とホームの全試合を観戦したというサポーターも絶賛する。
山下選手自身は「チーム全員でとったゴールだと思いますし、会場で応援してくれている人やいわきを支えてくれるみんなのゴールであるのかなと思います」と謙虚に語った。

J2アシスト王に輝いた山下優人選手
J2アシスト王に輝いた山下優人選手

【シーズン途中の新戦力が底上げ】
シーズン途中、4人の選手が加入。各ポジションでの競争が過熱し、チーム力の底上げにつながった。新戦力は得点やアシストでも結果を残した。
ゴールキーパーの佐々木雅士選手は9月の月間ベストセーブ賞を受賞。サポーターは「ビッグセーブもいっぱいあったので、本当に来てくれてありがたいなと思います。守備がいわき強いところが魅力だなと思って、攻撃陣も倒れないし、そこだと思います」と高く評価した。

途中加入の4選手
途中加入の4選手

【いわきらしさを貫いた全員の力】
「良い守備から良い攻撃へ」・・・前から果敢にボールを奪いにいき、90分間倒れずに走り切る「いわきらしさ」を貫いた今シーズン。石田侑資選手はタックル数など3つの項目でリーグ1位を記録した。
石田選手は「シーズン通して試合にださせてもらって、自分自身も成長できたなと思うシーズンでしたし、それはサポーターのかたたちの応援があってこそだと思っているので、そこは本当に感謝したい」と振り返った。

タックル数・デュエル勝利数・こぼれ球奪取数がリーグ1位の石田侑資選手
タックル数・デュエル勝利数・こぼれ球奪取数がリーグ1位の石田侑資選手

来季に向けて「よりいわきらしく」

選手とサポーター一丸となって駆け抜けた2025シーズン。感謝祭を通じて互いに思いを伝え合い、11年目の戦いへと向かう。
チーム最古参の山下優人選手は「たくさんのサポートしてくれた、応援してくれた人たちと、短い時間ですけど一緒に楽しい時間が過ごせてとても良かった」と感謝祭について語る。

チーム最古参の山下優人選手
チーム最古参の山下優人選手

「来季は、よりいわきらしく戦うことを大事にしつつも、1試合1試合しっかりいわきらしさをもって戦って勝利を多く届けられれば」と来季への意欲を語った。
(福島テレビ)

福島テレビ
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