2025年のサッカーJ3リーグ、テゲバジャーロ宮崎の橋本啓吾キャプテンが、キャリアハイとなる25ゴールを挙げ得点王に輝き、初めて最優秀選手賞にも選ばれた。チームを牽引してきた橋本選手だったが、J2昇格をかけたプレーオフの決勝は、自宅で戦況を見守ることに。仲間たちが「ハッシーのためにも」と奮起し、圧巻のゴールラッシュで掴んだJ2昇格の瞬間、橋本選手はどのような思いだったのか。喜びと悔しさが交錯した胸の内と、来シーズンへの決意を明かした。
J3得点王!MVPも受賞
テゲバジャーロ宮崎の絶対的エース、橋本啓吾選手は、今シーズン抜群の決定力を見せた。高さのあるヘディングに加え、右足でも左足でもゴールを決める姿は、多くの観客を魅了。キャリアハイとなる25ゴールを達成し、J3リーグの得点王に輝いた。

年間表彰「J3リーグアウォーズ」でもその活躍が評価され、見事、最優秀選手賞(MVP)を受賞。橋本選手の成長と共にテゲバジャーロ宮崎は飛躍を遂げ、悲願のJ2昇格を果たした。

橋本選手は「本当に嬉しい。宮崎県のサッカーの歴史を全員で変えることができた。誰ひとり現状に満足せずにやり続けられたからこその結果。本当に良いシーズンだった」と振り返った。
思いを仲間に託して
チームを牽引し続けた橋本選手だが、J2昇格をかけたプレーオフ決勝のFC大阪戦、その姿はピッチになかった。

体調不良により出場が叶わず、宮崎の自宅で試合を見守ることになったのだ。

橋本啓吾選手:
決勝は「自分のゴールで勝たせたい」という思いがより一層あった中での欠場だったので、本当に悔しかった。

そんな中、チームを率いる大熊裕司監督は、「ハッシー(橋本選手)のためにも、ハッシーの分も走って、勝利をもぎとる」と選手たちを鼓舞した。橋本選手の思いを背負ってチームは躍動。圧巻のゴールラッシュを見せた。
仲間が果たした約束と昇格の喜び
試合中、橋本選手の気持ちが最も動いたシーンを尋ねると、吉澤選手がゴールを決めた後のパフォーマンスを挙げた。

橋本啓吾選手:
吉澤選手が点を取った後に、自分の背番号“11”と(啓吾の)“K”ポーズをカメラに向かってやってくれたので、うるっときた。

本当に嬉しかった。吉澤選手から試合前に「絶対俺のゴールでJ2昇格決めてくる」と連絡が入っていたので、かっこいいと思った。

吉澤選手もまた、橋本選手への感謝を口にした。
吉澤柊選手:
1年間、橋本選手が(ゴールを)決め続けてきたくれたおかげで、僕たちをこの順位に連れてきてくれたので、本当に感謝している。本当に決められて良かった。
仲間が果たした橋本選手との約束。そして、J2昇格という夢が現実となった。

試合終了のホイッスルが鳴り響いたとき、橋本選手は。
橋本啓吾選手:
家でたくさん拍手していた。大喜びだった。心のどこかで、自分がその場に立っていたかったという思いはあったが、チームのみんな、応援してくれる方々も全員でつかみ取ったJ2昇格だと思うので、喜びの方が大きく、本当に良かった。
初めて掲げる「 J2昇格ボード」
インタビューをした日、橋本選手が決勝戦の後にチームメートが掲げた「J2昇格」のボードをスタジオに持ってきてくれた。

実は橋本選手、まだこのボードを掲げる機会がなかったという。藤松アナウンサーが「どうでしょう?」と促すと「いいですか!」と即答の橋本選手。
盛り上げて欲しいということで、藤松アナが声援を送る。

決勝戦後のチームと同じように、「オオオー!ヤー!」という掛け声で、橋本選手は少しはにかみながら、「J2昇格」のボードを高らかに掲げた。

橋本選手は、「一人では寂しいですね」と言ったものの、「掲げることができて良かった。うれしい」と笑顔を見せた。
喜びを力に どん欲に成長を続ける覚悟
つかんだJ2の舞台。来シーズンに向け、橋本選手はさらなる飛躍を誓う。

橋本啓吾選手:
がむしゃらにぶつかりにいって、自分たちのサッカーをどこまで試合でできるかが大事。もっともっと成長していけたら。この喜びを大事にしながら来シーズンに向けてしっかり準備をしていきたい。
(テレビ宮崎)
