1日の中でいつの食事でもメインになれる存在の「サケ」。

焼いたり蒸したり炒めたり揚げたり、とざまざまな調理法が思い浮かぶが、ベストな調理は「炒める」ことだという。

東京慈恵会医科大学附属病院の栄養部が監修した『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)から、栄養価を損なわないサケの食べ方について一部抜粋・再編集して紹介する。

サケは赤いけど白身魚

ビタミン類が豊富で、抗酸化力も高いサケ。

可食部だけでも栄養効果は豊富ですが、カルシウムは主に頭や骨に多く含まれています。

多くの人が骨を食べ残すため、骨まで摂取できるサケ缶と比較すると、カルシウム摂取量は10分の1以下になります。

また、サケ缶のDHAやEPAは酸化しにくいため、これらの成分を摂取したい場合もサケ缶がおすすめです。

ただし、サケ缶のビタミンD量は生鮮のサケの4分の1程度であり、ビタミンB群も加熱殺菌によって若干減少するため、ビタミンを多く摂取したい場合は、切り身のほうがお得です。

サケは身にも血合いにも栄養がある(画像:イメージ)
サケは身にも血合いにも栄養がある(画像:イメージ)
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よく動く部位である血合いは、ほかの部位よりも脂肪が少なく高たんぱく。サケの血合いは比較的大きな部位で、ビタミンB群や鉄分が豊富です。

特に血合いには鉄分が身の約2倍も含まれ、DHAもより多く含まれています。

また、サケの身の赤い色は、エサとなるエビやカニのアスタキサンチンの色素が沈着したものです。サケは激流を遡る過酷な旅をするため、甲殻類の栄養を体内に蓄えて活性酸素から身を守ります。

そのためサケの身は、鍛えられた良質のたんぱく質が全体の約6割も含まれています。

アスタキサンチンの抗酸化力はβ-カロテンの約40倍、ビタミンEの約550倍。

サケの頭部の軟骨から抽出されるプロテオグリカンなど、サケには特有の健康成分が満載。ナイアシン、ビタミンB群、免疫力を高めるビタミンDと栄養の宝庫です。

フライパン調理がおすすめ!

魚は加熱調理すると、通常はビタミンB群が2~3割失われます。

しかしサケに粉をまぶして栄養をガードしてからフライパンで調理した場合には、ビタミンもロスなく摂ることができます。

また、サケに含まれる抗酸化物質・アスタキサンチンは脂溶性のため、脂と合わせれば吸収率もアップ。