トランポリンの競技で、指導者がほれ込む素質を持つ愛媛の小学3年生の逸材が、魅せる演技に磨きをかけている。2024年6月の中四国大会では、大人を含めて演技点で2位になったが悔しくて涙を流した。夢のオリンピック金メダルに向けて“より高く、より美しく”跳び続けている。
技の難易度や美しさ、高さで採点
アクロバティックな空中の演技で、美しさや難易度を競うトランポリン競技。砥部小学校3年の谷岡豪太選手は、幼稚園の時に体操教室で体験したトランポリンに興味を持ち、松山トランポリンクラブで技を磨いている。
この記事の画像(10枚)谷岡豪太選手:
膝を抱えてまわる技、空中で後ろにまわる技が楽しいです。
トランポリン競技は10回の異なる技を連続して行い、難易度やその美しさ、どれだけ高く跳んで技を決められるかなどが採点される。姿勢が乱れると中央のゾーンにまっすぐ降りられず、次の演技にも影響が出るデリケートな競技で、中央からのはみだし具合で減点の度合いが決まる。
高評価も不満足 高い意識で技を磨く
7月2日の練習では、ひねり技の体の向きを入念にチェックしていた。
谷岡選手は6月の中四国選手権に出場し、小学生のクラスで3年生ながら2位になった。技の美しさを競う演技点では、社会人まで含めた男子全体で2位になり、非凡な才能を見せた。
しかし、指導者の片上由美子コーチは「2位は泣いたんね。悔しいよね」と明かした。谷岡選手は「(目指しているのは)1位。つま先や指先を伸ばして、演技点のきれいさをあげようと思いました」と語る。
2024年の大会の演技点は、20点満点中17.7、2023年は17.8。片上コーチが大健闘と拍手を送るものの、高評価にも満足せず、高い意識で競技に取り組んでいる。
松山トランポリンクラブ・片上由美子コーチ:
指先から足先まですごくきれいに伸びて姿勢がきれいです。体幹もしっかりしているから、もともとレクリエーションクラスにいたんですけど、この子選手でいけるなってビビッときて。
「より高くより美しく」まずは世界へ
本格的に競技に取り組み始めて3年。谷岡選手の身長121cmの小さな体に秘められた大きな大きな可能性に、片上コーチも「(世界大会は)5年生から年齢別でチャレンジできる。そこを目指して演技構成を作っていく。まず世界へ、そこからオリンピックにつながったらいいですね。世界で跳ばせたいです。夢ではなく」と期待を寄せている。
谷岡豪太選手:
高く跳んでタイムを上げたり、きれいに美しく跳んで演技点を高くする。それを含めてより高く、より美しくというのを目標にしています。オリンピックで1位をとりたいです。
谷岡選手のモットーは「より高くより美しく世界に行くぞ」。大きな夢をつかむため、輝きを放つ原石は世界の舞台を目指して挑戦を続ける。
(テレビ愛媛)