幼稚園から始めた柔道は愛媛一の実力に。愛媛・松山市の小学6年生の女子選手が将来の国際大会で活躍する育てる合宿に選ばれるなど、研さんを摘んでいる。サポートしているのは父親。
「感謝」の気持ちを忘れず、オリンピック出場や警察官になる夢と向き合っている。
体格の良さと力強い技が持ち味
幼稚園から中学生までが稽古に励む松山市の久米柔道会。主将を務めるのが、松山市の伊台小学校に通う6年生の吉田さつき選手だ。技を決めるかっこよさに憧れて5歳で柔道を始めた。
この記事の画像(9枚)吉田さつき選手:
できなかった技を練習して、試合でその技がかかった時がうれしかったり楽しかったりします。
特徴は、身長159cmという体格の良さと手足の長さ、そしてパワーを生かしたキレのある力強い技だ。
久米柔道会・石村公彦会長は吉田選手について、「基本に徹しています。両手で組んで自分の技をかける、自分の間合いを取れる選手です」と評価する。
吉田選手のスタイルは基本に忠実に前に出る積極的な柔道。2023年12月に県大会を制するなど力をつけ、2024年1月には四国の指導者に推薦され、将来、国際大会で活躍する選手を育てる合宿に参加。
柔道の聖地とも言われる講道館で、全国の選ばれし仲間たちと研さんを積んだ。
吉田さつき選手:
(全国の)やったことない子たちはやっぱり強くて。めったにできない経験をできました。技を覚えたり試合でかけられる技が多くなったりしたのでよかったです。
「強くなれたのはお父さんのおかげ」
柔道に打ち込む吉田選手を支えるのは、父親の大祐さん。柔道は初心者だったが一緒に練習するようになった。
大祐さんは「(娘と)一つのことを一緒にやるというのは目標としてやりたかった。やっている間に自分も柔道にドはまりしました」と、そのきっかけについて話した。大祐さんは娘と一緒に稽古で汗を流し今では二段の黒帯に。資格も取得し指導や試合の審判にもあたるようになった。
吉田選手の得意技は背負い投げと内股。全国大会で決め技にできるようにと親子で一緒に技を磨いてきた。
大祐さんは「家でも柔道の話をしたいけれど、娘は嫌がります」と明かすものの、吉田選手は
「お父さんが柔道をやっていなくて一人だったら、多分ここまで強くなれていないと思うので、お父さんのおかげで強くなれてよかったです」と話した。
練習や試合で吉田選手がよりどころにしているのが、周りへの「感謝」の気持ち。
吉田さつき選手:
いつも送り迎えをしてくれるお母さんお父さんや、練習を教えてくださっている先生方に感謝して、これからもがんばっていきたい。
子どもたちに勇気や希望を…
春には中学生になる吉田選手。全国優勝を目指して競技を続ける。その先には大きな目標があるという。
吉田さつき選手:
小さい頃は出たいなというだけだったんですけど、今は本気で目指しています。全国中学校体育大会に出て、高校卒業してから全日本に入って、オリンピックに出られるように今は頑張りたいです。
オリンピック出場を目指すと語る吉田選手。その目は、さらに大きな未来を見据えている。
吉田さつき選手:
世界で活躍して、久米柔道会や愛媛県の子どもたちに勇気や希望を与えられるような選手になって、引退したあとは久米柔道会の先生をしながら、オリンピックに出た話を他の子どもたちにしたり、立派な警察官になれるようにがんばります。
未来の夢をはっきりと思い描く吉田選手は、これからも感謝の気持ちを忘れず、大好きな柔道に向き合い続ける。
(テレビ愛媛)