6月、新型宇宙船「スターライナー」に乗り、国際宇宙ステーションに到着した2人。しかし、宇宙船に不具合が見つかったことで、約1週間の滞在予定が過ぎ、1カ月以上経過した現在も地球に帰還できずにいる。
NASAによると、地球への帰還は早くても7月中旬以降になる見通しだという。
米ボーイング社が開発した新型宇宙船・スターライナーに不具合
「浮遊しているのは気分がいいですし、宇宙で国際宇宙ステーションのチームと働くのはいい気分です」

地上から約400キロ上空を周回するISS(アイ・エス・エス)=国際宇宙ステーションの中で日本時間11日午前0時過ぎ、アメリカ国旗を前に会見を行う宇宙飛行士のスニ・ウィリアムズさんとバッチ・ウィルモアさん。

無重力空間で器用に後ろ向き宙返りも披露するなど、リラックスした様子を見せているが、実際には困った事態になっていた。

2人は6月、アメリカ・フロリダ州から打ち上げられた新型宇宙船「スターライナー」に乗り、国際宇宙ステーションに到着。滞在予定は約1週間だったが、1カ月以上がたった今も帰還できないでいる。
ウィルモアさん「どんな宇宙船にも複数の問題は存在」
「アメリカのヒーローを乗せて、スターライナーが宇宙に向けて飛び立った」
アメリカのボーイング社が開発した新型宇宙船“スターライナー”。

6月、試験飛行として初めて宇宙飛行士2人を乗せて、ISS=国際宇宙ステーションに到着した。

到着時の会見でスニ・ウィリアムズさんは「スターライナーに乗って国際宇宙ステーションにいる。これ以上の幸せはない」と笑顔を見せてみた。
当初は1週間ほど滞在して地球に帰還する予定だったが、スターライナーの装置の不具合が原因で、1カ月以上たった現在も国際宇宙ステーションから戻れずにいる。

11日午前0時過ぎの会見で、バッチ・ウィルモアさんは「これまで設計されたどんな宇宙船にも複数の問題は存在しました」。
スニ・ウィリアムズさんは「この宇宙船が私たちを問題なく帰還させてくれると、心から思っている」とそれぞれ心境を語った。
野口聡一さん「念には念を入れて確認していると思う」
今回のように急なトラブルによって、滞在が長引くことで宇宙ステーションに問題は生じないのか…。
約3年前に滞在していた宇宙飛行士の野口聡一さんは、こう話す。
「ISS自体は非常に広い空間ですし、例えば食べ物とか、いっぱい予備の物資もあるので、一週間の予定が1カ月になること自体はそれほど問題は無いと思います」
また地球帰還の遅れを招いているスターライナーの装置トラブルについては、こう指摘する。
「宇宙船、船としては問題ないんですけども、地球に戻るとき、姿勢を一定に保つためのスラスターというエンジンが一部動かない状態で、無事に帰れるかっていうのを確認している。念には念を入れて確認していると思います」
NASAによると、地球への帰還は早くても7月中旬以降になる見通しだ。
(「イット!」 7月11日放送より)