2022年、大分県別府市で起きたひき逃げ事件は29日で発生から2年となった。
重要指名手配されている八田與一容疑者について、大分県警は現在の風貌を想像して描いた似顔絵を公開し、情報提供を呼びかけている。
道交法では初の重要指名手配 情報提供は5600件以上
この事件は2022年6月、大分県別府市の交差点でバイクに乗っていた大学生2人が車に追突され死傷したものである。
警察庁は2023年9月、現場から逃走した八田與一容疑者27歳を道路交通法違反のひき逃げの疑いで重要指名手配し全国の警察が行方を追っている。
大分県警には2024年6月26日時点で「似た男を見た」などという情報が5600件以上寄せられているが、犯人逮捕には至っていない。
「逃走犯の心理を考えて作成」似顔絵公開
事件発生から2年となるのにあわせて、大分県警はさらなる情報提供を求め八田容疑者の現在の風貌を想像して描いた似顔絵を公開した。
似顔絵は6枚で、警察庁が逃走犯の心理を考えて作成。髪を切っていないと想定し、八田容疑者は長髪で描かれている。
ひげを生やした姿や、眼鏡をかけた姿。また髪を結んでいる八田容疑者などである。
逃走中の姿が防犯カメラに
事件後、現場から逃走した八田容疑者。その姿は別府市内の防犯カメラに捉えられていて、県警はその映像を公開。裸足で海の方向へ向かう姿などが映っていた。
事件発生から数日後、現場から約2キロ離れた別府市北浜のヨットハーバーの駐車場で、八田容疑者が当時着ていたとみられる黒いTシャツが見つかった。しかし、その後の足取りは分かっていない。
意図的に追突か
捜査関係者によると、八田容疑者の車は制限速度の40キロを大幅に上回る100キロ近くのスピードで走行していたとみられ、バイクに追突するまでブレーキ痕は残されていなかった。
こうした状況から、警察は八田容疑者が意図的に追突した可能性があるとみて捜査を進めてきた。
また、八田容疑者は事件当時、別の事件で有罪判決を受け執行猶予中だったという。
「八田が言いがかりをつけてきて、本当にそれだけのことだった」
事件の被害者の1人はTOSの取材に応じ、事件前に現場近くのショッピングモールの敷地内で八田容疑者と亡くなった大学生との間でトラブルがあったことを明かした。
「八田がスピーカーですごい大きい音を流していてそれをちょっと不審に思った(亡くなった)彼が八田を少し見た。それにカッとなったか分からないが言いがかりをつけてきてという感じ。本当にそれだけのことだった。15秒、30秒ぐらいのすごく短いやり取りだったと思う」
その後、2人はバイクで移動していたところ、被害にあったということです。
「アクセルをすごい踏む音がして、バイクのミラーでこれなんかおかしいなと思ってパッと見たら、もうヘッドライトが近くまで来ていて、やばいと思って一緒にいた彼に伝えなければと思って、彼の方を向いたら、もうその瞬間には突っ込まれてという感じだった」
遺族は時効の無い「殺人罪」への切り替え求めて署名活動
遺族と、支援する「別府願う会」は八田容疑者の容疑を「殺人」に変更することを求めてインターネット上で署名活動を行っている。ひき逃げの罪は公訴の時効が7年ですが殺人罪には時効がない。
6月29日で事件から2年。遺族が今の思いを明かしてくれた。
「6月29日が近づくにつれ、気持ちが乱れていることに自分自身気がつきます。 あの信じられない悪夢のような日から2年。息子が突然目の前からいなくなり、いつまでも犯人が捕まらないという信じがたい現実。未だに思いきり声をあげて泣くことができていません。
いつ捕まるのか、捕まるかどうかも分からない不安に加え迫りくるあと5年という時効の壁。一体いつまで私たちは八田與一を追い続けるのだろう。終わりの見えないこの苦しい活動をいつまで続けなければいけないのだろう。重要指名手配ポスターに並ぶ八田以外のあまりにも古い写真を見ては、そう思うのです。どうかお願いです。「救護義務違反」ではなく時効のない「殺人罪と殺人未遂罪」に早く切り替えて、全国での全力捜査、事件の早期解決を望みます」
署名は「別府願う会」のホームページやSNSで受け付けている。
大分県警「八田與一容疑者の逮捕に繋げたい」情報提供呼びかけ
今回6枚の似顔絵を公開した大分県警。「新たな視点で見てもらい、八田與一容疑者の逮捕に繋げたい」と情報提供を呼びかけている。
八田容疑者は身長約175センチ、体型は中肉で以前、大分県杵築市、栃木県日光市、千葉県千葉市、石川県鹿島郡に住んだことがあり、土地勘があるという。
八田容疑者に関する情報の提供先
別府警察署0977-21ー2131
(テレビ大分)