高校からバレーを始め、2023年は、全国で将来有望な選手に選ばれるほどの素質を持つ高校生がいる。海外での経験を糧に、高校生活最後の2024年、「一意専心」の信念を抱きインターハイ出場に挑む。
「中学までは剣道しかしていなかった」
身長189cmからスパイクを打ち抜くのは、愛媛県立三島高等学校バレーボール部の3年生・萩尾太一選手(18)。最高到達点は3m20cmで、高校からバレーを始め、競技歴はわずか2年だという。萩尾選手は恵まれたこの高さを活かして、ブロックの要・ミドルブロッカーとして活躍し、2023年は、全国の将来有望な中高生を集めた「全日本ジュニアオールスタードリームマッチ」に出場した。
この記事の画像(20枚)萩尾選手は、「(中学まで)剣道しかしたことがなかったんで、ジャンプも全然できんかったり。初心者でも、身長が高くて強みがあるっていうのは自慢できるところだと思ってます」と自身について語る。
萩尾選手について、堀切元生監督は「高さに関しては県内の中でもトップクラス。高さのある選手が多いチームではないので、守備的なことから攻撃につなげるために必要な、これからますます楽しみな伸びしろのある選手だと思います」と話した。
普段の高校生活は「愛されキャラ」
学校の教室でも、189cmの長身はひときわ存在感を放っている。英語の授業では、「What do you like?(何が好きか?)と聞かれた萩尾選手は、「I like volley ball(バレーボールが好き)」と答える場面も見られた。
また、萩尾選手にとって学校の机は小さいため、座ったら猫背になってしまう。萩尾選手は、思わず「もうちょっと高かったらいいのに」と口からこぼした。今は管理栄養士を夢に、勉学による大学進学を目指しているという。
同級生は、「初めて会う人には『デカっ』みたいな言われがちですけど、物腰柔らかだしずっとニコニコしとる。みんなに優しくて、すごい愛されキャラですね」と萩尾選手の印象を語った。
ビーチバレーで日本代表に選出
萩尾選手は5月、ある大きな舞台に挑戦した。タイで開かれたビーチバレーの国際大会で、19歳以下のアジア選手権の日本代表に選出された。
結果は17位だったものの、女子代表には今治精華高校の森川仁湖選手と矢田和香選手も選ばれ、愛媛の同級生とともに貴重な国際試合を経験した。
萩尾選手はこの経験について、「愛媛代表として、(世界には)こんな選手がいるというか。海外の選手は身長が高くてトスもレシーブもできる選手が多いので、高さだけじゃないというかバレーは。そういうことを気づけたと思います」と語った。
世界を経験した「愛媛の大器」は、次は憧れの全国を目指し、自信を持って力強く羽ばたいていくだろう。
全国を目指す萩尾選手は「(県大会)優勝目指してずっとやってた。何事にも集中してやることが僕は大事だと思う。(高校)3年間しかしてないんで、初心者って思われがちなんですけど、『自信を持って』とか得意じゃないけど、『自信を持って』頑張っていきたい」と意気込みを語った。
(テレビ愛媛)